[公開練習]2025.3.3
寺地拳四朗「相手の癖は直らない」
WBC(世界ボクシング評議会)フライ級王者の寺地拳四朗(33=BMB)が3日、都内の三迫ジムで公開練習を行った。
3月13日(木)、両国国技館で開催される「U-NEXT BOXING.2」のメインイベントで、WBA(世界ボクシング協会)同級王者のユーリ阿久井政悟(29=倉敷守安)との王座統一戦に臨む拳四朗は、「(阿久井選手の)スタイルはそんなに変わらないと思う。癖というのは簡単には直らない」と、過去のスパーリング経験を踏まえて分析した。
試合の模様は、U-NEXTでライブ配信される。
この日の東京は、昨日とは一転して真冬の寒さが戻り、日中の気温はわずか2℃。ジム内には2台の電気ストーブが設置される中、会見に臨んだ拳四朗は「試合まで残りわずかだが、コンディションは良い。ライトフライ級からフライ級に上げて2戦目だが、体重を落とすことよりも、強さを磨く練習に集中できている」と、仕上がりの良さを力強くアピールした。
日本人世界チャンピオンによる王座統一戦という大舞台でも、気負いは見られず、いつも通りのペースを守っていた。
BMBジムの寺地永会長は「圧倒してほしいが、阿久井選手もチャンピンとしてのプライドがあるので、簡単には勝たせてくれない。身内としては打ち合いは避けてほしい。強くなるための練習ができているので、良い試合になると思う」と、統一王者に期待を寄せた。
コンビを組む加藤健太トレーナーは「最近は、スパーリング中の指示を減らすように心掛けており、拳四朗は自分で考えながら戦えるようになってきた。ラウンド中での判断も早くなった」と、成長を感じているようだ。「向こうがやってくるボクシングは一貫しているので、拳四朗がどう対応するかがポイントになる」と語った。
スパーリングは160ラウンド
同門で日本ライトフライ級王者の川満俊輝(29)やOPBF東洋太平洋フライ級11位の伊藤千飛(19=真正)、そして先日世界挑戦した比嘉大吾(29=志成)と合計160ラウンドのスパーリングを消化。実践練習は明後日(5日)に打ち上げる予定だ。
2月は国内でバンタム級の世界タイトルマッチが開催され、ボクシング界は盛り上がりを見せたが、3月にはWBC王者の拳四朗とWBA王者の阿久井による王座統一戦、またWBO王者のアンソニー・オラスクアガ(26=米)対挑戦者の京口紘人(31=ワタナベ)、さらにIBF王者のアンヘル・アヤラ・ラジザバル(24=メキシコ)対挑戦者の矢吹正道(32=LUSH緑)と、3つのフライ級の世界戦が行われる。
拳四朗は「日本人王者同士の王座統一戦は、モチベーションが上がる。圧倒的に自分が一番強いことを証明したい」と言葉に力を込めた。
会見後、拳四朗はシャドーボクシングを2ラウンド、サンドバッグ打ちを1ラウンド披露。テンポを意識しながら、軽やかな動きを見せた。
試合前は、ジムと自宅の往復だけの生活となり、「最近は暇だからボートレースの舟券を買っている。オッズが低いと買いたくなくなるが、そうすると外れることが多い。やっぱり大きく儲けようとすると、ダメですね。欲を出さないことが大事で、これはボクシングにも通じるところがありますね」と語った。
「プレスをかけ続けられる展開は避けたい。雑に打ち合わず、自分のペースで戦うことが重要」。これまで培ってきた、打たせずに打つという、積み重ねてきたボクシングで統一王者を目指す。
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