井上尚弥の幼なじみ山口聖矢が初回にピンチ!

　元プロサッカー選手で、世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(31=大橋)の幼なじみの山口聖矢(30=大橋)が16日、後楽園ホールで開催された「Lemino BOXING フェニックスバトル116」東日本ライト級新人王4回戦で、鈴木将斗(21=本多)と対戦した。

　初回に動きがあった。鈴木が左フックから一気に詰めると、たまらず山口がダウン。それでも、2回以降は、ワンツーを主体にポイントを稼いだ山口が、逆転勝利で2戦目を終えた。

　ダウンを挽回して勝利した山口は、「ダウンは焦ったが、スパーでも経験があったので。ダウンした後、尚弥さんから『ガードが低いとか、ジャブ、ワンツーをちゃんと当てろ』という声が飛んできた。真吾さん(井上真吾トレーナー)からは『ガードを固めて、打ったら返しの左』という声が聞こえた。ダウンの後は『もし倒れたら、待っていいから』と言われていたので、とりあえず休憩して、セコンドを確認した」と、冷静に試合を振り返った。

　5月6日に東京ドームでルイス・ネリ(メキシコ)に初回ダウンを奪われたが、冷静にカウント8まで休んだ後、2回以降は、3度のダウンを奪い勝利した井上を参考にした。

　山口は「勝ったと言っても接戦だったので、次は倒したい。今後は一番上を意識するより、一つひとつ勝っていく。そしたら、決勝も優勝も見えてくると思う」と抱負を語った。

　一方、ダウンを奪いながらも逆転負けを喫した鈴木は「勝利を取り逃がしてしまった。2回くらいチャンスがあったが、ペースを奪われてしまった。走り込みで足腰を鍛えたが足りなかった。相手のストレートはノーモーションで、反応しづらかった」と悔しさをにじませた。

　中垣龍太朗(24=大橋)はスーパーフライ級8回戦で、ラードチャイ・チャイヤウェード(28=タイ)を相手に、再起戦に臨んだ。サウスポー中垣の左ストレートに、右のカウンターを合わせたラードチャイ。それに対し、序盤から先に仕掛けた中垣が、集中力でシーソーゲームを制した。

　再起に成功した中垣は、「なんとしても勝ちたかったので、純粋にうれしい。前に出てこない相手に対して、リズムを落とさず冷静に戦えた。今後に向けて感覚を掴むことができた。効かせた後に詰め切れなかったのが課題として残ったが、プラスに変えていきたい」と喜びに浸った。

　連敗を喫していたが、長いトンネルを脱出した。「試合前に松本トレーナー(松本好二トレーナー)から『川島(川島郭志=元WBC世界スーパーフライ級王者/川島ジム会長)もキャリア初期は負けたが、そこから強くなってチャンピオンになったよ』と言ってもらえて、それが励みになった。自分も川島さんのようになりたい」と目を輝かせた。

ボクシングの幅を広げていく

　川島会長は、キャリア7戦目まで4勝(4KO)2敗1分だったが、連戦連勝で世界チャンピオンまで上り詰めて、そこから6度の防衛に成功した。

　中垣は「ボクシングの幅を広げていきたい」と言葉に力を込めた。