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番組では、「井上尚弥vsノニト・ドネア」のほかに、井上拓真(大橋)対古橋岳也(川崎新田)のWBOアジアパシフィック、日本スーパー・バンタム級王座統一戦も放送・配信する。
宿敵ドネアを264秒で撃沈
2ラウンドTKO勝ちで、3団体王座を統一した衝撃の試合から2ヵ月近くが経った。ドネアとの再戦を、フルで見返したのは「20回ぐらいかも」という。
1ラウンドは「様子を見ようかなと思った矢先に、ドネアの左フックが右目下に入って来てドキッとした。衝撃だった」と、開始早々の相手の攻撃を振り返った。勝負を決定づけたラウンド終了間際のダウンについては「左ジャブを出さずに打った右。結果として、フェイントになり、それにドネアが反応してしまった」と分析した。
2ラウンド開始前、真吾トレーナーは「ドネアの目を見たら効いているのが分かった」というが、井上は「行かないよ」と自分にブレーキをかけたという。それを受け、真吾トレーナーは「いいよ、いいよ、それでいいよ」と返答したことも明かした。今回の試合に関して「油断するな、隙をつくるな、雑になるなと言ってきたから」と真吾トレーナーは補足した。
しかし、その言葉とは裏腹に、井上は猛攻を仕掛けた。途中で、左フックを浴びたドネアがグラリと揺らいだが、そのときは「もう止めてくれ」と思ったという。フィニッシュブローとなった左フックは「手応えがあった」と振り返った。
まずはバトラー戦 「中盤から終盤に終わらせる」
試合後、井上は「年内に4団体の王座統一を目指す。それが無理ならば、ひとつ上のクラス(スーパー・バンタム級)に挑戦したい」と希望を口にした。その意向は、現在も変わっていない。まずはバンタム級のもうひとつのベルト、ポール・バトラー(33=イギリス)が持つWBO王座獲得が目標となる。年内の実現が理想だが、井上によると「もう決まりかけているという情報もある」とのことだ。開催地に関しては「どこでもOK」と頼もしい。
36戦34勝(15KO)2敗の戦績を残しているバトラーについて井上は「足がよく動く、教科書どおりの選手」と分析している。そのうえで「ドネアのように出てくる選手は早く終わるかもしれないけれど、バトラーのような選手と戦うときは、自分がしっかり作戦や計画を立てないと、長引くかなと思う」と噛み合わせの甘さを懸念してもいる。
すでに「気持ちは、バトラー戦に向かっている」という井上は「仮に判定勝負になってもポイントは取られないけれど、何を見せる試合にするのかと考えると、倒すための準備――仕留めるための攻撃の仕方、相手の癖などを見つけて入るタイミングなど――をしなくちゃいけない。早いラウンドのKOは考えていないけれど、中盤から終盤にかけて徐々に弱らせていって、終わらせる」と早くも具体的なイメージが頭に浮かんでいる様子だ。試合が12月だと仮定すると、準備期間は4ヵ月ということになる。「もうスタートを切っているし、スパーリングはまだだけど、うまく気持ちを持っていけると思う」と話す。
スーパーバンタム級転向は「不安も自信もある」
交渉が順調に進み、バトラーに勝って4団体王座統一を果たした暁には、スーパーバンタム級転向が現実的なものになるはずだ。体重リミットは1.8キロ重くなり、対戦者たちの体のフレームも大きくなる。現にWBC王座とWBO王座を持つスティーブン・フルトン(28=アメリカ)は身長169センチ/リーチ179センチ、WBAスーパー王座とIBF王座に君臨するムロジョン・アフマダリエフ(27=ウズベキスタン)も166センチ/173センチと、ふたりとも井上(165センチ/171センチ)よりも体格で上回っている。
その点について井上は「フィジカル、耐久性など不安はある」と正直に明かす。そのうえで「でも、不安があるからこそ突き詰めていける」とポジティブな考えをしている。そして「やってみないと分からない」と前置きしつつ「もちろん自信もある。もっといいパフォーマンスができるかもしれない」と加えた。
近未来のライバルについて、井上は「ムロジョン(アフマダリエフ)はアマチュアのキャリアがすごい(320戦300勝80KO20敗、2016年リオデジャネイロ五輪バンタム級銅メダル獲得)。パンチが硬そう」と印象を話す。フルトンに関しては「技術はあるけれど、気持ちが弱いというイメージ」と分析。そして「ムロジョンの方が噛み合うと思う」とも。
アフマダリエフとフルトンが年内に4団体王座の統一戦を行うプランがあると伝えられており、すべてが計画どおりに進んだ場合は、来春にバンタム級の4団体王者(井上)とスーパー・バンタム級の4団体王者(アフマダリエフ対フルトンの勝者)が対戦する可能性があるわけだ。
プロデビューから10年。18度の世界戦を含め23戦全勝(20KO)と完璧のレコードを残している「モンスター」の今後に要注目だ。
◆◆◆ WOWOW番組情報 ◆◆◆
『井上尚弥出演!エキサイトマッチSP「井上尚弥vs ノニト・ドネア」第2戦』
【放送・配信日】 8/15(月)午後9:00[WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド]
・ゲスト:井上尚弥(大橋)、井上真吾/解説:西岡利晃
・対戦カード:WBAスーパー・WBC・IBF世界バンタム級王座統一戦 井上尚弥vsノニト・ドネア
WBOアジアパシフィック 日本S・バンタム級王座統一戦 井上拓真vs古橋岳也
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