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[記者会見]2019.6.25

井上尚弥が5本のベルトを披露

 WBA(世界ボクシング協会)・IBF(国際ボクシング連盟)バンタム級王者の井上尚弥(26=大橋)が25日、横浜市内の所属ジムで5本のベルトを並べて会見を開き、試合後初となる公開練習を行った。5月のWBSS(ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ)準決勝を勝利した井上に、米国の老舗ボクシング専門誌「リング誌」から認定ベルトが届けられた。日本人初となる主要4団体とリング誌認定ベルトの合計5本のベルトを手にした井上は次戦への意気込みを語った。
会見の様子
 1922年の創刊以来、各階級でチャンピオンを選出するリング誌は、井上とロドリゲス戦で認定ベルトがかかっていた。井上は2014年4月にWBC(世界ボクシング評議会)ライトフライ級王座を手にしたのを皮切りに、同年12月にWBO(世界ボクシング機構)スーパーフライ級王座を獲得。2018年5月に初回TKO勝ちでWBA世界バンタム級王座、今年5月にIBF同級王座を奪取した。
さらに精進していきたい
 ベルトを並べたのはこれが初めてだという井上は、「自分が積み重ねてきた歴史を感じる。どのタイトルも思入れがある。これに満足せずこれからもベルトを増やしていきたい。WBC王座は拓真に正規王座を獲ってもらい、自分は残りのベルトを獲りたい。バンタム級は井上兄弟が独占する」と抱負を口にした。
ドネアの左フックはもらわない
 決勝戦の相手は世界5階級制覇王者でWBA世界同級スーパー王者のノニト・ドネア(比)。19日の幕張メッセイベントホールで行われた世界戦でドネアの父であるノニト・ドネア・シニアが来日し、井上戦について「早くパンチを当てた方が勝つ。今度の試合は井上の耐久性が試される試合になるだろう」とコメントした。そのことに話が及ぶと、「スパーリングで感じているが自分は打たれ強いと思う。(ドネアは)これまでで一番強いパンチを持っているが、ブロックしてどう感じるか。ドネアの左フックに気をつけたいが、もらうイメージはない」とWBSS優勝に絶対の自信を示した。
決勝戦は近日中に発表の予定
 会見に同席した井上真吾トレーナーも「攻略の鍵はナオ(尚弥)と一致している。そこを意識して練習していきたい。スピードはこっちの方が上だが、相手はそれを潰してくる経験がある。良いところだけを出せる試合を見せていきたい」と勝利へ万全の体制であることを強調した。
 大橋秀行会長は、「ベルトを獲っている試合はすべて王座決定戦ではなく、チャンピオンからKOで勝ち取っているのが素晴らしい。こうして見てみるとやり遂げたなという印象だが、ここが終わりではなくここからがスタートだなと思う」と井上の偉業に感服した。気になるWBSS決勝戦の日時、開催場所はまだ決定していないが、決定次第発表したいと語った。
ボクシングをもっとメジャーにする
 先日の井岡一翔(Reason大貴)の試合をテレビ観戦したという井上は、「井岡さんに限らないが、階級も近いし刺激になる」と口にしたが、「自分の実力が発揮できる階級で戦っていきたい。ボクシングに興味のない人が振り向いてきているのは感じているので、ボクシングを光が当たるところに導いていきたい」と人気復活の使命を感じていた。 
 井上は試合までに2度の走り込みキャンプを張る予定で、7月下旬に最初の合宿を行うことを明かした。

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