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WBO(世界ボクシング機構)世界ライトフライ級チャンピオンの岩田翔吉(29=帝拳)が13日、両国国技館で開催された「U-NEXT BOXING 2」で、レネ・サンティアゴ(32=プエルトリコ)を挑戦者に迎えて、自身初の王座防衛戦に臨んだ。

初回からジリジリと距離を詰めた岩田に対して、サンティアゴは左フックと左ボディロングジャブで距離をとった。2回には、早くもプレスを強めた岩田。サンティアゴはワンツーを返した。序盤から岩田が前に出て先に仕掛けた。3回からは、岩田が左ボディと右ストレートボディを鋭く差し込んだ。中盤に入ってもプレスを緩めない岩田に対し、サンティアゴはロープまで下がって、手を出しながら時計回りにステップして被弾を回避した。9回、岩田が右フックでサンティアゴのサイドへの動きを阻んだ。


帝拳プロモーションの母国のファンに感謝の気持ちを伝えたサンティアゴは、リング上のフラッシュインタビューに応じ、「3ヶ月間、コンディションを整えてきた」と、涙を浮かべて勝利を喜んだ。「少し休んで、日本に帰ってきて試合をしたい。グラシアス」と、今後の抱負を語った。

新王者となったサンティアゴは、会見で「今、とても嬉しく幸せ。この美しい国でチャンスを貰えたことに神に感謝しています。WBOの本部にベルトを持って帰ることができ、夢が現実になった。プロモーターに感謝」と感謝の気持ちを口にした。
岩田との試合内容にいての質問には「とてもパワフルで好戦的。リングで全てを出すボクシングだった。僕はクオリティの高いボクシングで、クレーバーな試合運びをして勝利できた」と、試合を振り返った。
最終ラウンドで胸を叩きアピールしたことについては「プエルトリコでは祝福の意味で叩く、今回は勝利という意味をこめて胸を叩いたと」語り、判定時に岩田の手が上がった際には「何が起こったのかと思ったが、ニューチャンピオンというコールをされたことで、自分のチャンピオンが証明された」と安堵の表情で話した。地元のファンに向け「ここに新しいチャンピオンが生まれた。ここまで支えてくれた方に感謝。今まで色んなものを犠牲にしてきた。家族と支えてくれた方とお祝いしたい」と感謝を口にし、笑顔で会見場を後にした。

試合後の会見で、言葉を選びながら「自分のやれることはやり切った」と、話し始めた岩田は、「サンティアゴが自分に勝つために戦術を練ってきていた。パンチに手応えはあった。普段ならもっと攻められていた。映像を見ないとわからないが、ステップバックや頭の位置で、上手くパンチを逃がされていたのかもしれない。」と振り返るも、採点については「正直な気持ちとしては、これが『ボクシングなのか?』という思いはある。細かいパンチは貰ったが、ずっと動き回ってポイントになるのか? プエルトリコの陣営は、これで勝ちと思っているのかと、上手く言葉に出来ないが自分の思う『ボクシング』ではないと思う」と胸の内を明かした。「招待した子ども達に勝つところを見せられなかったが、自分の好きなことで、こういう舞台を見せることはできた。今は試合をやり切った気持ちが強い」と、今後については語らず会見を終えた。
粟生隆寛トレーナーは、「もっとやれることはあったと思うが、本人は精一杯頑張った」と、労った。