ユーリ阿久井政悟「最強を証明していく」

　WBA(世界ボクシング協会)フライ級王者のユーリ阿久井政悟(28=倉敷守安)が8日、都内の帝拳ジムで一夜明け会見に臨んだ。

　阿久井は、6日(月・祝)、東京ドームで開催された「Prime Video Boxing 第8弾」で、同級3位の桑原拓(29=大橋)に判定勝ちし初防衛に成功した。

　右目上を腫らしてサングラスをかけ、会見に臨んだ阿久井。ダメージは少なかったようで、「前回の試合より体が痛くなかったので、よく眠ることができた」と2時間ほど睡眠を摂ったという。

　2021年7月に対戦(阿久井の10回TKO勝ち)して以来の再戦だったが、完勝で返り討ちを果たした。「前に(桑原選手と)戦った時は、ダウンを奪ってから余裕を持ってしまい、接戦になったので、(今回は)徹底的に攻めることを心掛けた。やれることはやれたかな」と、大差判定勝ちに及第点を与えたが、「ディフェンスを強化しないといけない」と課題を上げるのも忘れなかった。

　「初回、ガードの上からだが、ガツンと脳が揺れるようなパンチをもらったので、パワーアップを感じた」と、拳を交えた桑原の進化を感じたようだが、「一発があるので、警戒しながら攻めたが、途中から(桑原選手が)下がりっぱなしになったので。今回はスピードでも上回ろうと思った。もう(向こうが)再戦をやりたいと思う理由をなくしたかった」とチャンピオンとしての強さと意地を示した。

　守安竜也会長は、「左を使ってプレスをかけたところが良かった。ただ、もう少しコンビネーションと手数が欲しかった」と語った。

　2022年2月に岡山で試合をしたが、それ以降は東京や大阪での試合が続いている。凱旋試合に期待が膨らむが、守安会長は「次の試合は(岡山では)ない」と明言。それでも、「来年は、岡山で開催できればとも思っている」と構想を明かした。阿久井は、「いずれ岡山でもやれたら」と地元での開催に前向きだった。

　減量も問題なく、しばらくはフライ級で戦っていくようで、「王座統一戦やビッグマッチをやりたい」と、さらなる飛躍を誓った。

　「試合スパンが短かったので、少しゆっくりしたい」と家族と大好きなディズニーランドで過ごしたり、しばらくは休養に充てる。会見後の写真撮影では、千聖ちゃん(3歳)と琴乃ちゃん(1歳)を抱きかかえてパパの顔になっていた。