[公開練習]2025.2.14
堤聖也「次が比嘉大吾、最後の試合になる」
WBA(世界ボクシング協会)バンタム級王者の堤聖也(29=角海老宝石)が14日、都内のジムで報道陣に練習を公開した。
2月24日(月・休)に有明アリーナで開催される「Prime Video Boxing 11」で同級4位の比嘉大吾(29=志成)を迎えて初防衛戦に臨む堤は、「試合に向けて心が作れている」と、心身ともに万全の状態をアピールした。
「ベルトを守ろうとか、迎え撃とうとかしたら負ける」と語る堤の眼光は、決戦を10日後に控え、一段と鋭さが増していた。「やるべきことを着々とやってきた。自分の持ち味を出して巻き込む。次が比嘉大吾の最後の試合だと思っている」と強い決意を示した。
比嘉とは2020年10月にノンタイトル戦で対戦し引き分け。4年4ヶ月ぶりの再戦に、完全決着をつけることを誓った。
コンビを組む石原雄太トレーナーは、「前回の試合からすぐに試合が決まり、最初は調子が上がらなかったが、強い選手とのスパーリングを重ねたことで調子が上がってきた。打ち合いは必須なので、上下の打ち分けやディフェンスを強化してきた。いつも通りに仕上がっている」と、コンディションの良さに太鼓判を押した。
この試合に向けて、堤は元世界ランカーのサウル・サンチェス(27=米)、日本スーパーバンタム級1位の石井渡士也(24=RE:BOOT)、日本スーパーバンタム級7位の細川兼伸(22=ワタナベ)らと100ラウンドを超える実践練習で調整してきた。
勝負のキーポイントを聞かれた堤は、しばらく間を置いてから「勝負所を見極める判断力」と答えた。「決断のミス。一瞬の誤差で倒すか倒されるかの勝負になる。肉体的にも精神的にもハードな試合になる」と激戦を覚悟した。
「肉体的も精神的にもハードな試合になる」
「井上拓真戦で作れた心をまた作れるか。一度作れたものが同じように作れるかというと、すごく難しいもの。作れていると思っていても、実際にできていないこともあるので、(トレーニングで)究極の状態まで持っていく」。
会見後には、シャドーボクシングとサンドバッグ打ちを1ラウンドずつ披露した。「野木さん(野木丈司トレーナー=志成)が見ているし、映像も出るので試合を想定した動きは見せていない」(堤)。頻繁にスイッチしながら、ジャブからワンツー、左右アッパーを繰り出した。
比嘉を指導する野木トレーナーは、「チャンピオンになって自信をつけている。前回以上に仕上げてくるでしょう」と話し、試合に向けた準備が進んでいることを強調した。「気持ち、しつこさ、執念を警戒している。気持ちの勝負になるので、逃げることなくいきますよ」と語った。
この日、堤はボクシングの名作映画「ロッキー」の主人公ロッキー・バルボアがトレーニングシーンで着用していたものと同じグレーのスウェットとコンバースのスニーカーで、公開練習に臨んだ。「ボクシングを始めた時は、義務感でロッキー『1』と『2』を見ていたが、最近になって全部見た。勝負に懸けるメンタルは通じるものがある」と語った。
比嘉も「ロッキー」を見ていることを記者会見後の囲み取材で話しており、それを聞いた堤は「(自分と同じように)気持ちが高まるんだろうな。全部(ロッキーザファイナル)見ていたら、(より気持ちが高ぶり)やばいな」と笑顔を見せ、比嘉との試合を心待ちにしている様子だった。
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