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年内にも世界初挑戦のチャンスがあると期待されている、バンタム級の堤聖也(28=角海老宝石)が7日、都内の両国国技館で開催された「Life Time Boxing Fights 22」のセミファイナルで、ウィーラワット・ヌーレ(22=タイ)を相手に、56.0kg10回戦に臨んだ。
身長差10cmのヌーレに対して、スピードに乗った堤の左ボディと左アッパーが光った試合。3回に堤が鋭く踏み込むと、左ボディでダウンを奪うと、左右のボディを叩いて右アッパーでダウンを追加。ヌーレを仕留めた4回は、左アッパーで3度目のダウンを奪うと、最後は左フックで仕留めて実力差を示した。
試合後に堤は、「セコンドから『及第点だがもっとやれる』と言われたのが課題。倒したい気持ちから前に出てしまい、そのタイミングを合わせられていた。硬く効かせてくるパンチだったから、気を引き締めた」と試合を振り返りかえり、「ボディから攻めて、顔に返してまたボディ、左ボディを嫌がったら右ボディと、しっかり相手を見て攻めることができた。石原さんに倒しに行くなと言われたので、コンパクトにパンチを打つ意識をした。今まで試合をした強い選手に比べるとレベルの差があり、そこは油断しないよう怖さを持ち気持ちを作った」と試合中の心境を明かした。
世界戦を視野に入れる中、「渡米前に試合の話が来たので、すぐに減量が始まった。焦らずコンディション、メンタルを良い状態に仕上げられたのは良い経験になった。中嶋一輝(大橋)、比嘉大吾(志成)戦の時より自分のレベルが上がっていて、立場的にも、もっと求めるものがあり、ベストを試合で出す難しさを感じた。日頃から意識している動きを無意識にやれるよう身体に染み込んだものが試合で出せるように練習をしているが、まだまだ納得はいっていない。世界戦が決まれば絶対に負けないが、今よりさらに強くならないといけない」と強い気持ちを伝えた。
石原雄太トレーナーは、「3ラウンドの戦いを1ラウンド目でして欲しかった。今よりレベルを上げなきゃ世界は取れない。もっとしっかり練習を重ねないといけない」と、笑顔を見せながらも、引き締め直した。
日本スーパーフライ級3位の重里侃太朗(28=志成)は、パイ・パーロップ(41=タイ)とスーパーフライ級8回戦で対戦した。
ジャブを丁寧に突いて左ストレートの打ち下ろしと左アッパーで距離を詰めて、常に先に仕掛けた重里に対して、スイッチを繰り返したパイは、ロープまで下がりながら、カウンターを狙った。試合が動いたのは、4回、重里が詰めに行ったところで、右構えからスイッチして左ストレートをカウンターに合わせたパイがダウンを奪った。片膝ついてカウントを数えた重里は、ゆっくり立ち上がると、冷静に追撃を回避した。ダウン後もプレスをかけて先に手を出した重里が、左右の連打をパイの顔面に集めたが、パイは上半身を切り返して決定打は回避、ディフェンス力の高さも披露した。最終回もコーナーからコーナーへと追い込んでいった重里が、左ストレートで顔面を弾いたが仕留めきれず。毎回ポイントを稼いだ重里が判定勝利を収めた。
試合を終えた重里は「日本ランキングも上がってきているし、スカッと勝ちたかったが、やっぱりボクシングの世界は甘くないと痛感した。また、気が引き締まった」と一息ついた。
パイパーロップについては「年齢を重ねているが戦績も数多く、経験が何よりの武器だと思っているところもあるので、油断なくやっていたつもりだったが。やっぱり打たれ強かった。しぶとかったというか、粘り強かった」と試合巧者ぶりを称えた。
2Rのヒッティングについて「ヒッティングとなりましたが、僕的には頭バチーン!と当たったんでイヤイヤ、頭やで!と思ったが・・焦りはなかった。血がたれているなと思ったくらい。痛いの嫌いなんで」と白い歯を見せた。
ダウンを喫した場面に話が及ぶと「これからタイトル戦線に入っていくなかで良い経験になった。でも、やっぱり課題ですよね」と反省の弁が口をついて出た。
今後に向けて「一つ一つ積み重ねていくしかないと思っているんで。小さい時からボクシングをやっているが、本当にいつも一つ一つ。ランキングも上がってきているので次、挑戦者決定戦なりをこなして、来年の日本タイトルに繋げていきたい。これからも一つ一つ積み重ねていくことが大切だと思っている」と引き締めた。