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WBC(世界ボクシング評議会)世界バンタム級タイトルマッチが20日、両国国技館で開催された「Prime Video Presents Live Boxing 9」で行われ、チャンピオンの中谷潤人(26=M.T)が、挑戦者で同級1位のビンセント・アストロラビオ(27=比)を相手に、初防衛戦に臨んだ。
中谷は試合後、「1ラウンドで勝てて、皆さんにいいパフォーマンスが見せられたと思います。みんなの期待がデカくなっていて、それを超える結果で応えられて幸せです」とホッと一息ついた。
試合に関しては「ルディさんから、ファーストコンタクトで強いパンチを入れるように言われていた。二、三発目で当てられたので、意識していた通りにいけた」と振り返った。
ダウンを奪った左ストレートボディは、「練習してきたパンチの一つ。その中で、相手の隙間を狙って出した。柔らかくて感触はなく、そこまで効いてるとは思わなかったので、詰める準備をしていた」と冷静に戦えたとした。
挑戦者のアストロラビオ対策として、「瞬発のあるパンチを警戒していた。どんなパンチが来てもいいように体勢を低くして、重心をしっかりすることを意識した」と初回の入り方を明かし、「スパーリングの濃縮版になった」と、試合を振り返った。
井上尚弥(31=大橋)が最終目標かという質問に「最終ではないが、パウンド・フォー・パウンド1位を目指す上で、井上戦も視野に入れている。統一戦が上手く行かなければ、スーパーバンタム級に上げる」との考えを示した。
会見に同席したWBO世界フライ級新チャンピオンのアンソニー・オラスクアガ(25=米国)は、親友の中谷に関して「中谷のKOはサプライズだった。そんなに効いているとは思わなかったが、すごいパンチだったんだな」と、喜びを分かち合った。
試合後の会見でアストロラビオは、「まずは会場に試合を観に来てくださった方にお詫びを申し上げたい。私自身も、こんな結果になるとは思っていなかった」と悔しさを滲ませた。
最高のコンディションで臨んだというアストロラビオは「中谷は2階級制覇のチャンピオンだが、それほどパンチは強くないと思っていた。(ダウンを喫したパンチは)見えなかった。上に来ると思ってガードを上げていたところ、下に来たので見えなかった。立ち上がろうとしたのは、まだ戦えると思ったからだが、ボディにダメージがあって、立ち上がれなかった。中谷はパンチは強くはなかったが、スピードが速かった」と、静かに下を向いた。