V1王者の谷口将隆が昨夜の試合を徹底解説!

　初防衛に成功したWBO世界ミニマム級チャンピオン谷口将隆(28=ワタナベ)が23日、都内にある所属ジムで一夜明け会見を開いた。会見の冒頭、チャンピオンは、昨夜の挑戦者で前日計量失格となった石澤開(25=M・T)に関して改めて、「ノーサイド」を強調。「ボクシングは減量を伴う競技なので、減量のリスクは常にある」と切り出すと、一定期間の出場停止処分などが予想される石澤には、「ペナルティを受けた後は、ボクシングを続けて欲しい」と、エールを送った。

マタドールの極意

　昨夜の試合では、ハードパンチャーの石澤を相手に”マタドール”と表現されるほど軽快にパンチをいなしたV1チャンピオンは、石澤のディフェンスの穴を見つけていた。「前後の動きへの反応に比べて、横の動きにはついて来れていなかった」と分析した上で、「打ってからサイドに動く様に意識していた」と、接近戦での攻防を振り返った。パンチをもらわない様にするのが理想と話す谷口だが、「パンチをどこでもらうかを考えて、効かないようなパンチのもらい方を意識した。肩で受けたり、ナックルが当たらない様に、頭の位置に気をつけた」。石澤が追う展開になると不利になると分析していた谷口は「一歩、二歩下がってさばく気はなかった」とキッパリ。2019年9月の石澤戦を引き合いに「一発もらった経験が染み付いていた。自分はどのくらいのパンチを受けると倒れるかを学べた」と、苦い経験を成長につないでいた。

　オフェンス面もパンチの強弱と合わせて工夫した。「6割、8割、と強弱をつけた」と切り出すと、「ブロックに意識が行くように”弾くパンチ”を打ったり、力の入れ方を変えて、”バランスを崩す”様にしました。それにナックルを効かせたパンチを織り交ぜました」と振り返った。

　石澤のスタミナに関して、「6ラウンドから消耗してるのがわかった。ボディが効いてたと思う」と、谷口と伯耆淳トレーナーが口を揃えた。

　それでも、試合の終盤の攻防は記憶に新しかったらしく、「9か10ラウンドに強いパンチを打ったら、強いパンチが返ってきたので、気持ちを入れ直した」と振り返り、「1、2ラウンドは冷静に行けたけど、3ラウンドからは余裕はなかった」とV1戦を総括した。

　「今後の選択肢は沢山あると思うが、今のところは白紙の状態」と話した渡辺均会長は、「内容は95点の出来だった」と、チャンピオンの初防衛戦に安堵した。

　昨年末の世界王座戴冠後、「体重を上げて、下げることはできたけど、それを維持する時間が短かったので、少しゆっくりしたい」とリカバリーを求めた。「不摂生には気をつけて、年内に1試合したい」と今後の抱負を語った。