[公開練習]2025.3.7
矢吹正道が元世界王者のロサレスとスパーで圧巻のパフォーマンス!
IBF(国際ボクシング連盟)ライトフライ級王者の矢吹正道(32=LUSH緑)が7日、名古屋市内のLUSH緑ジムで公開練習に臨んだ。
矢吹は、元WBC(世界ボクシング評議会)フライ級王者のクリストファー・ロサレス(30=ニカラグア)と4ラウンドのスパーリングを敢行。アヤラと対戦経験のあるロサレスに対し、見事な動きを披露した。
3月29日(土)、愛知県国際展示場で開催される「3150×LUSHBOMU vol.4」のメインイベントで、矢吹はライトフライ級のタイトルを保持したまま、IBF世界フライ級王者のアンヘル・アヤラ・ラジザバル(24=メキシコ)に挑戦。試合の模様は、ABEMAでライブ配信される。
「もっと圧倒したかった。今日は50点」と、自らに厳しい矢吹らしい辛口採点だったが、仕上がりの良さを感じさせた。ロサレスは、かつて比嘉大吾(29=志成)と対戦し、WBC世界フライ級王座を獲得。昨年10月には、寺地拳四朗(33=BMB)と空位のWBC王座を争い11回TKO負けを喫したが、最後まで食い下がった実力者だ。
矢吹は、体格が一回り大きい相手に対し、レザービームのようなジャブをビシビシと決めると、ボディワークとガードで被弾を回避。右ショート、左アッパーで顔を弾いた。
2回、頭をつけてショートレンジでの打ち合いでも、右ボディアッパー、左ボディと手数で上回り攻勢。距離ができると、すぐに打ち下ろしの右ストレートを差し込んだ。3回、矢吹はロープに詰めると、一定の距離を保ちながら強弱をつけたコンビネーションをヒット。4回、ロサレスもサウスポーにスイッチしながら回転力を上げたが、矢吹はロープを背負いながらでも、最後まで集中力を切らさず、ヒットを重ねた。
この日の矢吹は、持ち前の攻撃力だけではなく、ディフェンスとバランスの良さを感じさせた。スパーリング後は、ロサレスのアドバイスに熱心に耳を傾けていた。
スパーリング終了後、囲み取材に応じた矢吹は「今日は接近戦をしようと思っていた。ジャブも当たったが、フルフェイスのヘッドギアなので。試合だったらもっと止まってくれると思う。ロープを背負いながらみたいな苦しい展開も想定しておかないと、(試合の時に)パッと引き出しが出て来なくなる。試合でもスパーリングの時を思い出せるように、焦らずにできるようにやった」と、本日の実践練習の意図を説明した。
「(ロサレスは)リーチが180cmあると聞いている。常に緊張感を持ってやれている」と手応えを感じていた。ロサレスとは試合の1週間前までスパーリングを重ねる予定だ。
ロサレスは、「今回で矢吹とスパーリングしたのは2回目だが、特に右ストレートが強い。ただ、もっとプレスをかけないと、相手に押し切られてしまうのではないか。アヤラは力強いが、前に押したら必ず下がる癖がある。矢吹はラウンドを重ねる毎に良くなっていく。8〜9ラウンドで矢吹が倒すのではないか」と、矢吹のKO奪取に太鼓判を押し、「できるだけアヤラのスタイルに寄せて、スパーリングをしていきたい」と、全力サポートを約束した。
矢吹をサポートするタキザワジムの滝澤卓会長は、「最初、アヤラ選手の動画を見た時は、こんなに良い戦績なのかと思ったが、映像を見れば見るほど強さを感じる」とチャンピオンの強さを警戒。その上で「矢吹は前回同様、素晴らしい仕上がり。年齢を重ねて、渋いボクシングになってきた。今は70%だが、試合までに100%になる」と、世界2階級制覇を確信した。
「Lフライ級でやることはない」
矢吹は「ここを勝つことしか考えていない。先のことは考えられない。フライ級でやる以上、ライトフライ級でやることはない」とハッキリと宣言し、「痛めつけながら、最後はKOに持っていきたい」。そう言い放ち鋭い眼光をこちらに向けた。
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