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[試合後会見]2024.1.23

ユーリ阿久井政悟の世界初挑戦

 世界初挑戦を迎えたユーリ阿久井政悟(28=倉敷守安)。エディオンアリーナ大阪で23日、WBA(世界ボクシング協会)世界フライ級チャンピオンのアルテム・ダラキアン(36=ウクライナ)に挑んだ。

ロープに詰めたユーリ阿久井政悟
 序盤から柔らかい動きを見せながら、リングを大きく回って距離をとったチャンピオンのダラキアンの変則的なボクシングに付き合わず、丁寧にジャブを突いて、右ストレートでプレッシャーをかけ続けたユーリ阿久井政悟が、岡山県のジム所属の選手としては、ボクシング史上初の世界タイトルを獲得した。
岡山に初の世界タイトルベルト!

  チャンピオンベルトを持って、笑顔で会見場に姿を見せたユーリ阿久井政悟は、「やりにくくて強い相手。人間も素晴らしくて、いい試合になりました。勝因は、クリンチの隙間を叩いて、時間を使わせないよう、隙があったら打って嫌がらせたこと。中間距離のジャブと左フックも出せた」と試合を振り返り、「自分から積極的にいって、相手の距離に入りすぎないこと」と続け、上は右は当たらないと判断してからは、上下の打ち分けに集中し、「ダラキアンは、逃げ足が速いので、単発でもコツコツ当てていくことを考えていた」と付け加えた。

採点表
 「尊敬できるチャンピオンに勝てて嬉しい」と、目標としてきた名チャンピオンから王座奪取に成功したことを喜んだ新チャンピオンだが、自身のリングネームにも付けている"ユーリ"こと元世界王者の勇利・アルバチャコフ氏に話が及ぶと「本家に追いつけるように頑張りたい」と、王座防衛を重ねていくことを誓った。
満面の笑みを浮かべた新チャンピオン

 世界王座獲得に10年経ったことに関しては「長いようで短かった。10年目で新しい気持ちで始められる。これからがスタート。」と目を輝かせた。

ダラキアン陣営

 日本の関係者に感謝の気持ちを伝えたダラキアンは、ユーリ阿久井について聞かれると、「ボクサーとして優れている。私よりも若い。ガツガツしてる印象。時というのは残酷だと感じた。負けたと思った。(チャンピオンが入れ替わる時には)鮮やかな勝ち方をするものかな、と考えていたが、判定結果に不満はない」と冷静に答えた。

 戦時下のウクライナから2日半かけて来日したダラキアン陣営は、「負けた理由はこれから考えたいが、11月15日の予定が変わった。99%準備してたが、交渉の後に日程調整に入ったが、完璧に仕上げるには、やはり3月ぐらいの試合が良かった。中途半端な調整になった。移動が長かった。体力の回復に時間がかかった。彼も若くはないからね」と赤く腫れた鼻を指刺して、笑顔でダラキアンを労った。


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