ユーリ阿久井政悟! 本物を見せていく!

　挑戦者タナンチャイ・チャルンパック(24=タイ)の老獪な試合運びに苦戦したが、最後はしっかりと勝利を掴んだ。阿久井は、「スッキリと勝てなかったので、悔いが残る。周りは完勝と言ってくれるが、相手を勝ちにしたジャッジがいるので、そこは無視できない。(採点が)割れた時はヒヤッとした」と、接戦を振り返った。

　「タナンチャイ選手は、3ラウンドまでは様子を見て、終盤は足を止めて打ち合ってくる。ある程度、想定内だったが、思っていた以上にしつこかった。ラスト2ラウンド、ポイントを取り切れたのが勝因。最後まで諦めずに戦えたのが収穫」。

　フライ級は、WBC王者が寺地拳四朗(32=BMB)、WBO王者はアンソニー・オラスクアガ(25=米)、IBF王者はアンヘル・アヤラ・ラジザバル(24=メキシコ)が君臨している。「強い者同士が戦う、本物のボクシングを見せていきたい」と、王座統一戦はもちろん、強敵との防衛戦で、ベルトの価値を上げていく。

　阿久井は、今年1月に世界初挑戦で戴冠し、5月には東京ドームで初防衛に成功。そして、今回の防衛戦をクリアして、キャリアで最も濃い1年を過ごした。

　岡山の星、阿久井が深みがあり、重厚なボクシングで存在感を示す!