[記者会見]2025.6.5
田中恒成が語った1995年世代

現役引退を発表した世界4階級制覇王者の田中恒成(29=畑中)が4日、名古屋市内のCBCテレビ婦人ホールで記者会見を開き、同世代ボクサーへの熱い思いを語った。
1995年生まれの田中は、高校時代、同い年で前WBA(世界ボクシング協会)バンタム級王者の井上拓真(29=大橋)としのぎを削り、全国大会で計5度対戦し、田中の3勝2敗。プロ入り後は、リング上で拳を交えることはなかったが、互いに高め合うライバルだった。
また、田中と同世代には、WBA世界バンタム級休養王者の堤聖也(29=角海老宝石)、元WBC(世界ボクシング評議会)フライ級王者の比嘉大吾(29=志成)、前WBA世界フライ級王者のユーリ阿久井政悟(29=倉敷守安)、前WBO(世界ボクシング機構)ライトフライ級王者の岩田翔吉(29=帝拳)、さらにはプロ2戦目でタイトルに挑む坪井智也(29=帝拳)といった、国内で活躍する実力者が揃っている。
会見で田中は、「最後に1回だけ戦えるとしたら、井上拓真と戦いたかった」と切り出すと、「拓真みたいなライバルがいたことが、本当に幸せだった。アマチュア時代、同い年で同じ階級で同じトーナメントで戦っていたメンバーとプロの世界で切磋琢磨できた。彼らは僕の中で誇りです」と言葉に力を込めた。
ラストファイトとなったプメレレ・カフ(30=南ア)戦の前日に井上と堤の試合が行われ、堤が判定勝ちでタイトル奪取に成功し、井上は王座を陥落した。
試合を見ながら田中は「堤は拓真相手にめちゃくちゃすごいなと思った。逆に拓真に対して、『何をやっているの?!』って思った。辞めそうだなと思ったので、自分が勝ってリング上で拓真に辞めるなよと伝えたかったが、負けたのでその機会がなくなった。ただ、その日の夜に電話で『俺らはまだ戦っていないでしょ?』と伝えた。あの時は、まだ、続ける気だったので。ずっと拓真とやると思っていた」。
会見の前に井上に引退の報告をLINEで伝えたという。「同じ世代にいて良かった。これからも彼らの活躍を見ていきたいし、自分は自分で頑張っていきたい」と話した。
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