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WBO世界バンタム級チャンピオンの武居由樹(28=大橋)に挑戦するユッタポン・トンディー(31=タイ)が23日、横浜市内の大橋ジムで、報道陣に練習を公開した。
昨日、来日したユッタポンは、「とても気分がいいです。自分の家、国(タイ)にいるようで、気候も同じ。ベルトを取るために戦いたい」と、リラックスした様子で、この日集まった多くの報道陣にも笑顔を見せた。

ユッタポンと契約しているタイの名門、ギャラクシープロモーションにとって、ユッタポンが世界王座奪取に成功すると、12人目の世界チャンピオン誕生となる。これまで獲得した11本のベルトは、全てWBA(世界ボクシング協会)。WBO(世界ボクシング機構)のベルトを今回獲るとすれば初めてとなる。
マネージャーのタウィーシン・ラオスワンワット氏は、コロナ禍の少し前にユッタポンをサポートすることになったが、「強い選手だと思った」と、当時を振り返った。

武居の印象や戦略などに関しては、ほとんど明かすことはなく、"微笑みの国"の戦士らしく、穏やかな表情で、「相手を研究してくるのは、義務みたいなもの。成長するために練習してきた。チャンピオンベルトは、タイに行くことになる。強いパンチを出すための練習をしてきた」と、話すに留めた。それでも、武居に関する質問を重ねる中で、「ガードが良くない」と一言だけ答えた。

身長差に関しては、「自分よりも背が低い選手と試合をしたことがないので、問題ないと思う」と述べ、15戦のプロボクシングのキャリアで「ダウンは一度もない」と、話した。
タイのナショナルチームのメンバーとして、キューバ遠征したときには、後の元世界チャンピオン、ロベイシ・ラミレス(29=キューバ)と対戦し、「接戦だったが、判定で勝利した」と振り返ったが、話しぶりからは、強い印象は持っていないようだった。

公開練習を視察した八重樫東トレーナーは、「動きもイメージどおりでした。動きの中でこっちに動くんだな、こっちを打つんだなというのが、こちらが思っていたのと、ほぼほぼあっていた気がする」と、ほとんど手の内を見せない軽めの体の動きから、カギになるポイントを確認していた。その上で、「まとまってる選手なのは間違いないので、どう(それを)崩していくかが課題」とし、ユッタポンが、会見で武居について「ガードが良くない」と、指摘したことには、笑いながら「そんなことはデビューの時から知ってるけど、ウィークポイントが最大のチャンスになるかもしれない。武居がガードが高かったらただのボクサーですよ。指摘は間違いない」と、武居の長所を最大限に生かす戦いに期待した。

公開練習を終えたユッタポンと笑顔で握手した大橋秀行会長は、「蹴りがあれば勝つ自信はある?」と、通訳の方を介して質問すると、「プロなので勝ちます」と、ユッタポンも笑顔で答え、これに大橋会長は「武居は自信がないって言ってました」と、ムエタイの元ラジャダムナムチャンピオンへのリスペクトを伝えた。
囲み取材で大橋会長は、「倒しにくる展開になるので、面白い試合になる、間違いなく」と述べ、「打ち合いになって終盤勝負になると思うが、武居もだが、ウェイトもきつそうなので、コンディションが勝負の分かれ目になる」と、見応えのあるグッドファイトを期待した。