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WBA(世界ボクシング協会)ライト級タイトルマッチ、ホルヘ・リナレス(32=帝拳)対ワシル・ロマチェンコ(30=ウクライナ/米)の12回戦は12日(日本時間13日)、米国ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデン(MSG)で行われた。試合後、両選手が会見に臨んだ。リナレスは「ロマチェンコは私をビックリさせると言っていたが、そんなことはなかった」と話した。
※リナレス対ロマチェンコは、きょう14日(月)夜9時からWOWOWライブ・チャンネル「エキサイトマッチ」でリピート放送
試合前は9対1で不利というオッズが出ていたリナレスだが、6回には右ストレートでダウンを奪い、9回には細かい連打を浴びせるなど多くの見せ場をつくった。結果として10回に連打から左ボディブローを浴びてダウンを喫して敗れ、王座を失ったが、株を落とすような内容ではなかった。試合後、リナレスは「彼は私をビックリさせると言っていたが、そんなことはなかった。ただ、最後のボディブローには驚いた。まだ続けられると思ったが、レフェリーに止められた。試合は楽しかったし、内容も競っていたと思う」と話し、悔しさと充実感を滲ませた。
勝ったロマチェンコは史上最速のプロ12戦目で3階級制覇を果たしたが、ほんの少しだけ綻びもみせた。WBO(世界ボクシング機構)のスーパーフェザー級王座とWBAライト級王座を同時に保持したことになるが、10日以内にどちらかの王座を返上するよう迫られている。そのロマチェンコは試合後、6回のダウンについて「少し気を抜いてしまった。リナレスはスピードを生かして戦いカウンターを多用してきたが、十分に対応できていたと感じていた。私はミスを犯し、そこにパンチを浴びてしまった」と振り返った。そして「リナレスは素晴らしい王者で、多くのファンが試合を堪能したと思う」と、内容と結果には満足そうだった。
なお、CompuBoxのデータによると、この試合でリナレスが放ったパンチの総数は739発でヒット数は207、ロマチェンコは627発を打ち213発が命中したという。9回終了時の採点が三者三様だったように、手数やヒット数もほぼ互角だったことを裏づけている。