森川　ドネアはときどき日本語も話すけど、来日は何度目なの？
ドネア　4回か5回かな。僕は日本が大好きなんです。ワタシハ・サムライデス！　

森川　(笑)もともと日本には興味があったの？
ドネア　たぶん僕の前世はサムライなんじゃないかな。子供のころから日本にはすごく興味を持っていたんだ。日本の文化や歴史、礼儀などに興味があったし、そういった礼儀や忠誠心などは僕自身の人生にも採り入れているんだ。だから周りも僕のことを理解して応援してくれているんじゃないかな。

森川　ボクサーとしてだけでなく人間的にも素晴らしい人だね。
ドネア　アリガトウ。僕は特にサムライにすごく興味があったんだ。大昔だけど、初めて見た日本映画は｢ニンジャスクロール｣(邦題:獣兵衛忍風帖)っていうアニメだったんだよ。俳優だと、一番好きだったのは三船敏郎だね。宮本武蔵の3部作(1954年の｢宮本武蔵｣、1955年の｢続宮本武蔵一乗寺の決闘｣、1956年の｢宮本武蔵完結編決闘巌流島｣)などは最高だよ。あと｢七人の侍｣もね。

森川　驚いたなぁ、僕ら日本人よりも詳しいね。
ドネア　アハハ……。忠臣蔵の映画も大好きで、最後に復讐したあとで切腹したんだけど、そういう昔の日本の文化というか忠誠心に感銘を受けたんだ。｢座頭市｣とか昔の日本映画はよく見るよ。でも、やっぱり三船敏郎がNO.1だね。オーラが違うよね。日本の歴史も好きだから武田信玄や徳川家康の映画も観たなぁ。

森川　驚いたなぁ……。ところで、ドネアはなぜボクサーを志したの？
ドネア　兄(グレン･ドネア＝元世界ランカー)の影響もあるけど、ホントは父のために始めたんだ。なぜかというと、兄が試合で勝つと父がいつも喜んでいたからなんだ。だから試合をするのはすごく怖かったんだけど、僕も試合に出て勝って父を喜ばせたかったんだ。

森川　人は見かけによらないなぁ。でも、これが傑出した世界チャンピオンの言葉なんだね。
ﾓﾊﾞｲﾙ　森川さんはボクシングジムのオーナーでもあるので、選手のセコンドにつくことも多いんだよ。
ドネア　ホント？じゃあ、いつか僕のセコンドにもついてよ。