3階級制覇王者 来日記念
独占対談 第1弾
VS 原 功(ボクシング・ライター)
ROUND.3
原 さて、話を西岡選手との対戦に絞ります。西岡選手とは8月に帝拳ジムで会っていますが、どんな印象を持ちましたか。
ドネア あのとき彼は10月の試合を控えていたのでトレーニングに集中していたよね。西岡選手の印象というよりも、試合に向けて集中している選手という感じだったね。
原 あなたが明るくてフレンドリーなので、西岡選手は「初めて会った気がしなかった」と印象を話していました。
ドネア 僕は誰にでもフレンドリーだよ。普段は笑ってハッピーでいたいからね。でも、リングの上ではすごくイヤなやつに変身するんだ(笑)。
原10月1日、ラスベガスで行われた西岡対ラファエル・マルケス(メキシコ)の試合をリングサイドで撮影していましたが、間近で見た試合、西岡選手の印象は?
ドネア 西岡選手はヘッドバットで途中から流血しながらの戦いになったけれど、最後まで集中力を切らせずに戦い抜いていた。強い気持ちを感じたよ。試合はエキサイティングだったし、西岡選手はスピードもパワーもあった。特に左のパンチは強いね。
原 西岡選手と戦う場合、サウスポー対策も必要だと思います。
ドネア サウスポーとの戦い方は分かっているよ。マニー・パッキャオ(比=6階級制覇王者)やホエル・カサマヨル(キューバ/米=元2階級制覇王者)、ロバート・ゲレロ(米=元3階級制覇王者)など、いろんなスタイルの偉大なサウスポーたちとスパーリングしているから戦い方は自分なりに分かっているつもりだよ。西岡選手と戦う場合、彼のスタイルを理解できれば僕にとっては戦いやすくなると思っているんだ。
原 マルケス戦直後のリング上で西岡選手に何か声をかけていましたね。
ドネア 覚えているよ。「おめでとう! 素晴らしい戦いだったよ」って言ったんだ。ああいう状況だから多くのことは話せないからね。
原 ボクシングモバイルにリングサイドから撮影した写真を送ってくれましたね。ありがとうございました。
ドネア だって8月に約束したじゃない。撮ったら送るからねって。でもね、しばらく写真を撮っていなかったので、ちょっと腕が鈍っていたんだ。ホントはもっと上手に撮れるんだよ。
原 いやいや、すごく上手ですよ。ところで、西岡選手と戦うとしたら、どんな試合になると思いますか。
ドネア どちらもミスを犯せないだろうね。ミスを犯したほうがその代償を払うことになるんじゃないかな。おそらく僕とモンティエルの試合がそうだったように、攻撃的な戦術戦のような試合になると思う。
原 あなたは日本が大好きだと言いますが、日本人と戦うことになった場合、ジレンマはありませんか。
ドネア そんなにはないかな。だって、昔でいうならばサムライ同士の戦いでしょ? リスペクトできる強い選手と最高の舞台で拳を交えるんだから、それを考えるだけでもエキサイティングじゃない。西岡戦が決まったら震災のために何か役に立てることをしたいってね。10月のナルバエス戦では乳癌の撲滅キャンペーンをやったし、次の2月の試合ではラブ&ピース対バイオレンスという運動をする予定なんだ。だから西岡戦では募金活動のようなことをやって役に立ちたいと思っているんだ。
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