3階級制覇王者 来日記念
独占対談 第1弾
VS 原 功(ボクシング・ライター)
ROUND.2

原 アルセがあなたから逃げたとは思わない?
ドネア アルセはウォリアー(戦士)だし、いろいろなことを成し遂げたかったんだと思う。僕と戦うことで、負けることや納得のいく報酬を得られないというリスクを考え、そういう判断をしたのだろうか。アルセはまだまだ戦えるし強いけれど、もしかたしたら引退のことを考え始めているのかもしれない。アルセは頭のいい選手で、僕と戦うことがどういうことか、僕とフェルナンド・モンティエル戦を見て分かっているんじゃないかな。

原 そのモンティエルが先日、ビクトル・テラサス(メキシコ)に負けてしまいましたね。
ドネア そうらしいね、ビックリしたよ。モンティエルは僕に負けてからトップ戦線に戻れるよう、掴めるチャンスはすべて掴もうとしたんだと思う。その姿勢はリスペクトしているよ。でも、彼もそろそろ引退をするかどうかの分岐点に立たされているんだと思う。彼もウォリアーだし、僕たちファイターは常に戦いたいと思っているから、これから彼がどんな判断をするかは分からないけれどね。でも、この負けは大きいんじゃないかな。

原 バスケス、ヌドゥロブ、モンティエルのほかにもスーパーバンタム級には強いライバルたちがたくさんいます。たとえばWBAチャンピオンのリコ・ラモス(米)、オリンピックの2大会優勝者でWBA暫定チャンピオンのギジェルモ・リゴンドー(キューバ/米)など。
ドネア みんな素晴らしい選手だと思うよ。でも、正直言ってこの階級ではひとりだけ飛び抜けているよね。そう、西岡選手! 

原 西岡選手以外には興味が湧かないということですか。
ドネア いや、僕はすべてのタイトルを統一したいと思っているので、次の試合でWBOのベルトを取ったらWBA、IBFと取って、それからWBCチャンピオンの西岡選手と戦うというのもいいんじゃないかな。アジア人同士の統一戦になったらすごいことだよね。

原 ラモスとリゴンドーは12月31日にWBAの統一戦をすることになっていますが、これに勝つことを前提にリゴンドーがドネア選手との対戦を希望しているみたいですね。
ドネア リゴンドーだけじゃなく、みんなが僕と戦いたいと言っているんだよ。いま、僕と戦うということは彼らにとって高額の報酬が約束されるからね。リゴンドーに関していえば、僕のなかではまだ候補としてはあまり考えていないんだ。リゴンドーはたしかに素晴らしい選手だと思うけれど、彼はまだまだ自分の強さを証明する必要がある。僕は<もし戦ったら面白い試合になるんだろうな>ということが想像できる相手と戦っていきたいんだ。西岡選手やアルセのような、そういう存在の選手とね。

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