■中央大学に進学して大橋ジムに入門するわけですが、大橋ジムを選んだのは?
田中 プロでやるなら大橋ジムと決めていました。同い年の圭佑(松本圭佑)や龍汰朗がいたというのもあります。
■井上尚弥選手、井上拓真選手とスパーリングをすることはありますか?
田中 相手がサウスポーの時は、スパーリングの相手をさせてもらっています。尚弥さんは、ネリ戦やドヘニー戦の前に
■尚弥選手とのスパーリング前は、どのような気持ちなのでしょうか? 吞まれたら自分がやりたいことが何も出せないと思いますが。
田中 いや、飲まれていますよ(笑)。いつも緊張していますよ。一つでも二つ、自分がやりたいことを出していきたいのですが……、なかなか難しいですね。何もできないとというか、させてもらえないですね。
■自身のストロングポイントを教えてください。
田中 距離感や駆け引き。最近、やっと右の使い方に自信がついてきました。康さんに教えていただいて、強みになってきたかなと思います。
■次戦で対戦する「聖和選手(ぺ・よんふぁ/DANGAN)の印象を教えてください。
田中 特に特徴はないですが、アマチュアでやっていた経験を警戒しています。面識もないですが、ずっと知っている選手です。
■大橋ジム内に流れている音楽を田中選手が選曲しているということですが。
田中 その時にジムにいる選手がかけている感じですね。自分は懐メロが好きですね。ハマショー(浜田省吾)は尚弥さんが流していて、自分もハマって聴くようになりました。
■次戦に向けた意気込みをお願いします。
田中 勝ち方にこだわりたいです。何もさせたくないですし、どこも劣っているところはないので、すべてにおいて上回ります。
■どうもありがとうございました。
「ボクモバの目」
田中の言葉で印象的だったのは、現状を過大評価せず、足りない部分を正確に把握している点だ。「足踏みしている」という自己評価は決してネガティブではなく、次の段階へ進むための冷静な自己分析に映る。距離感、駆け引き、そして右の使い方に自信を持ち始めている今、試合運びの完成度は確実に高まっている。敗戦を経て攻撃の幅を広げたことも、大きな財産だ。ランキングが見えてきたこのタイミングで問われるのは、「勝つ」だけでなく「どう勝つか」。本人が語るように、相手に何もさせずに上回る内容を示せれば、評価は一気に変わるだろう。田中湧也がバンタム級戦線に確かな存在感を刻む日を期待したい。
<取材・構成/やすおかだいご>
<写真/Bobby>