元WBOアジアパシフィック・ミドル級王者の野中悠樹(45=渥美)は、6月10日(土)にエディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館・第2競技場)で開催される「3150FIGHT SURVIVALvol.5」のセミファイナルにおいて、元OPBF東洋太平洋ミドル級王者の帝尊康輝(30=一力)と初代日本スーパーミドル級王座を争う。
野中は、昨年7月に能嶋宏弥(27=薬師寺)に6回TKO負けし王座を陥落。その後、去就が注目されたが再びリングに戻ってきた。勝てば、自身が持つ国内男子最年長王座奪取の記録を大幅に更新する。
キャリア24年目を迎えたベテランが思うこととはーー。
■昨年7月の試合に負けてからどのようなことを考えていましたか?
野中 引退という選択肢なかったです。ただ、試合のダメージがあったので、それが癒えないことには(現役続行は)厳しいのかなと。なので体の回復具合と相談しながら過ごしていました。前戦から1年弱での試合ですが、良い休養になったと思います。
辞める選択肢はなかった
■先ほど話しましたが、辞めようとは思わなかったと。
野中 負けて世界は遠のいてしまいましたが、あれが最後の試合になる感覚はなかったです。たしかに自分のパフォーマンスもできなかったですし、ダウンもして打ちのめされた。思い描くように動いた中で打ちのめされたなら納得もいきますが、そうではなかった。こう話すと堂々巡りになるのですが。でも、まだできると判断しました。
■ジムワークは、いつから再開したのでしょうか?
野中 本格的には年始からですね。それまでも10月くらいから軽くロードワークを始めました。
■前戦は、能嶋選手からは「何がなんでも獲る」という気迫が感じられました。それに対して野中選手はなんとなくですが、元気がないように見えました。
野中 挑戦者と迎え撃つ側のアレなんでしょうけど。いろいろありますが言い訳になるのでね。試合前、(モチベーション的に)「このままではアカン」と思いながら無理に追い込んでいって。体を作ることはできましたが、100%の状態ではなかった。それが試合当日の気持ちに反映してしまいました。
■今回はスーパーミドル級に上げての試合ですが。
野中 復帰する際、ミドル級での試合は(減量面で)厳しいなと思っていました。世界ランキングから外れてしまったことで、世界に向けたチャンスの話がまったく来なくなりました。ミドル級(リミット72.5kg)からスーパーミドル級(76.2kg)だと、かなり上がりますから減量面でアドバンテージがありますね。
■対戦相手が帝尊選手と聞いた時の心境を聞かせてください。
野中 サウスポーとは久しぶりなのでね。スパーリングパートナーがいないのでそこだけがネックでしたが、「よしっ! やるか」と。