■練習を見ていると、力石選手も矢吹選手(兄)も自分でよく考えながら、メニューを組んで練習に取り組んでいますね。
力石 そうですね。もし、最初から東京のジムでトレーナーの言うことだけを聞いていたら、自分で考える能力が低下するというか。一概にトレーナーに見てもらうのがいい、というわけではないと思います。拳四朗選手なんかは、アドバイスも聞いて、自分の意見を持っていてボクシングIQも高いので相乗効果というのでしょうか。海外選手がそうじゃないですか。自分の考えを持ちながら、いろいろなジムを回って、相性が良いトレーナーに見てもらう。
自分から仕掛けていく
■ここ数戦で結果となって出ているのは、なぜだと思いますか?
力石 ボクシングがわかってきたからではないでしょうか。パンチをもらうのが怖いことがいいのかもしれないですね。かといって、ちょっと前までは、パンチを最大限にもらわずに、距離を取って塩試合でもいいから勝つという感じでしたが。試合が終わった時に、体力が有り余っている。少し前から攻撃=防御に目覚めました。世界を目指す上で自分から攻撃していかないといけない。
■今年は、タイトルを獲得し世界ランキングにも名を連ねました。自信がついてきたのではないですか。
力石 はい。ただ、自分はまだ実戦経験が少ないのが欠点です。まだ13戦しかしていないですから。強い相手が多かったので、心に余裕がない中で戦っていた。昔は批判していましたが、最近はイージーな相手とやるのも大事だなと思うようになりました。
■なるほど。
力石 ボクシングを楽しみながらできる選手が一番強い。今のトップ選手は楽しみながら戦っています。ビビりながら、どうしてもパンチをもらいたくない、早く試合が終わってほしい思いを持つのはマイナス要素なのかなと。イージーな相手と試合をすることで、楽しむ感覚を掴むのも必要だなと思います。これを最初のうちに身に付けていたらもっと自分の能力は引き出せたのかなと思いますが、今の立ち位置になってしまったので仕方がないですけどね。
■そうですね。
力石 欲を言えば、木村戦を勝った後は1戦くらい、アジアのランカーと遊び心を持ちながら試合をしてみたい。それを経て世界へ行きたい。でも、木村戦も楽しんで戦いたいです。
これは国内スーパーフェザー級頂上決戦
■当日は、豪華なカードが揃いました。
力石 自分がファンならこの試合が一番見たいカードじゃないかな。スーパーフェザー級頂上決戦。やっぱり燃えますよね。