IBF(国際ボクシング連盟)フライ級王者の矢吹正道(33=緑)が、6月6日(土)、愛知県国際展示場で開催される「3150 FIGHT vol.10」のメインイベントで同級3位のレネ・カリスト(31=メキシコ)を迎えて2度目の防衛戦に臨む。
2025年IBF年間最高試合に選出されたアンヘル・アヤラ・ラジザバル(26=メキシコ)戦、初防衛戦ではこれまで一度もKO負けのなかった元世界王者のフェリックス・アルバラード(37=ニカラグア)を撃破と、近年は圧巻のパフォーマンスを見せてきた。
しかし、本人に慢心は一切ない。「イケるでしょ」という周囲の空気を最も警戒し、自らの弱点も受け止めながら前進する。緊張で押し潰されそうだった男は、なぜ円熟の時を迎えたのか。その言葉を追うと、王者の現在地が見えてきた。
■本日(取材日:5月15日)のスパーリングパートナーは湊選手ですが、矢吹選手自身がオーダーしたのでしょうか?
矢吹 そうですね。身長とレベルを加味して、「この選手はどうですか?」と村上さん(村上学会長代行)に提案して、ジムに聞いてもらっています。今回の相手は多分、自分より大きいんですよ。何人かに声をかけて、湊選手はやってくれるということです。来週からは別の世界ランカーが来る予定です。
※湊義生(JM加古川拳=日本フライ級3位)
■今、気が付いたのですが、ボックスレックのTシャツが飾られていますが?
矢吹 ボックスレックの公式インスタアカウントから連絡が来て、「あなたが一番に選ばれました。Tシャツを送りますので、着た写真を送ってください」とメッセージが来たので送りました。
※ボックスレック(全世界の男子・女子プロボクサーの戦績を記録したウェブサイト、ほかにもボクサーのランク付けも掲載している)
■今回の防衛戦、矢吹選手の勝利が堅いという雰囲気を感じ取っていると思いますが。
矢吹 自分はそれを警戒しています(キッパリと)。アヤラとアルバラードを足して割ったような選手かなと思っています。ガルシア(ウィリバルド・ガルシア・ペレス=IBF世界スーパーフライ級王者)との試合はそこまで参考にしていなくて。ガルシアが距離を詰めて戦っていたので、ボクシングを潰されている感じがしたので。花田(花田颯)戦の進化バージョンでくるかなと予想しています。「イケるでしょ」という空気を警戒しています。
※カリストは、2024年12月にIBF世界Sフライ級王座決定戦で対戦し引き分け、昨年5月にリターンマッチで判定負け
※2023年10月に花田颯(KWORLD3)と対戦し8回TKO勝ち
プロボクシングに慣れた
■矢吹選手は、年齢を重ねるごとにパフォーマンスが上がっています。
矢吹 それこそ、プロボクシングに慣れたなってくらいの気持ちです。何が来ても対応できると堂々とできるようになりました。
■えっ! 最近ですか?
矢吹 そうです。試合の8オンスのグローブ、試合の雰囲気。自分は元々、緊張しいなので慣れたなと。アマチュア時代は、血圧が高くて「次、引っかかったら出られないよ」と言われるくらい繊細な心の持ち主で。そういう奴でもこうなるんだなと。リングに上がっても落ち着いてやれているので。
■それは意外でした。
矢吹 それこそ、拳四朗第1戦はいっぱいいっぱいというか、頭が真っ白というか。自分が持っているものをすべて出さないといけない、世界初挑戦で何が何でも獲らないといけないという思いが強かった。ノンシンガ戦なんかは、自分が持っているものを出して負けたらどうしようもない、という考えに変わりました。