WBOアジアパシフィック・バンタム級王者の西田凌佑(26=六島)は、8月11日(金)にエディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館・第1競技場)で開催される「3150FIGHTvol.6」のセミファイナルとして、IBF(国際ボクシング連盟)バンタム級挑戦者決定戦でIBF同級6位のクリスチャン・メディナ・ヒメネス(23=メキシコ)と拳を交える。
デビューからわずか4戦目でWBO-AP王座を獲得した西田は、3度の防衛に成功。相手の長所をかき消す巧みな試合運びで着実にステップアップを図ってきた。
3150FIGHTでメキシコの新鋭と挑戦権を争う西田に話を聞いた。
■練習を見させていただきましたが、充実感に満ち溢れているなと思いました。
西田 世界挑戦者決定戦が決まって、モチベーションはかなり高いです。
■このタイミングでの挑戦者決定戦、時期としてはいかがですか?
西田 世界ランキングに入った時から、いつかチャンスは来るだろうなと思っていましたが、3回防衛してからですので時期的には、早すぎず遅すぎずちょうど良いと思いました。
■3度の防衛戦を経験しました。試合に臨む際は、どのようなテーマを掲げて臨んでいたのでしょうか?
西田 デビュー3戦目で大森さん(大森将平)、4戦目に比嘉選手でしんどい試合が続いて、余裕がない中で戦っていました。プロのリングの感覚をどこかで掴めていないなと。しかし、防衛戦で余裕を持って戦える場面もあったので、良い意味で試合に慣れました。違う感覚を掴むことができました。
■違う感覚とは?
西田 なんていうんですかね?いろいろと試しながら戦えたというか。試合を重ねるごとに「こういう動きを試してみよう」とか、「この場面ではちょっと前に出てみよう」と考えながらできました。
■他の選手にインタビューしていく中で、「練習してきたことを自然と出す。体に身を任せる」という話を聞きます。考えることで一瞬、動きが遅れると。
西田 自分も武市晃輔トレーナーにアドバイスされたことしか、試合には出ないので。ずっと考えながらではなく、これまでは身を任せていたのですが、パンチを出しながら少し考える間ができるというか。気持ちの余裕が生まれました。「このパンチをもらっても大丈夫」というのもわかってきました。
■「パンチをもらっても大丈夫」とはパンチをもらってもその分、強いリターンを打てるということでしょうか?
西田 それもありますし、効かされないなと。以前は、一発もらったら効いてしまうと思いすぎていて必死になりすぎていましたが、カウンターも試しながらやらないと相手に効かせることができないですから。調子が良い時は、「ここでもらっても大丈夫」という安全な距離があるのです。基本的にはパンチをもらわない位置なのですが、もらってもパンチの威力を殺せている位置ですね。