[試合後会見]2014.7.5
OPBF&日本ミドル級TM
西田の勢いは通用したか
 5日に後楽園ホールで開催された「ダイナミックグローブ」。メインイベントでは「OPBF&日本ミドル級タイトルマッチ」が行われ、2つのベルトを持つ王者・柴田明雄(ワタナベ)が、タイトル初挑戦となるホープ・西田光(川崎新田)と激突。試合後の両者に話を聞いた。
柴田が防衛に成功
 初回、プレスの西田に柴田はセオリー通りにジャブで間を計り、懐に入った瞬間に右を横から合わせる。しかし、これまで並外れた圧力を持って多くの番狂わせを成してきた西田は、多少の被弾はものともせず、押しの強さで王者に肉薄。王者も徐々にスピードを上げ、敢えて体を密着させてから瞬間的に距離を空け左フック、右ストレートでリズムを掴みにかかる。4Rまでの途中採点は(38-38,38-38,39-37)で僅かに王者がリード。フットワークを活かし始めた柴田は、リズムに乗ってフック、ストレートを打ち込むが、西田のプレスも止まる気配は見せず。6Rにはリズムを変え、体を振っては左右フックを柴田のボディに叩き柴田の消耗を誘う。柴田もくっついては離れ際にフック、距離を取っては右ストレートの戦法で西田にペースを渡さず。互いの持ち味を発揮する好ファイトが続く。8Rまでの採点は、(76-76,77-75,78-74)と柴田がリードを広げる。追う西田だが、柴田はそれを上回る足捌きで西田に決定打を許さず、逆に打ち降ろしの右で有効打を奪う。これまで8R以上を戦ったことのない西田だが、終盤に入ってもスタミナは落ちず。最後まで圧力をかけ王者を苦しめたが、経験値で上回る柴田の足を遂に止めることはできず。試合は判定となったが、ヒットの差でも柴田が上回り、最大8ポイント差をつけ防衛に成功した。
この反省を糧に頑張れ
 「やっぱり強かった。ペース配分、技術、基本的な精度が上だった」と王者について語る西田は、「後半は山場を作って倒さないといけないという焦りがあった。少ないチャンスをものにできないのが柴田さんとの差。もっとボディを打ちたかったし、スタミナも12ラウンドを通して思うようにできたとは思えない。頭を振りながらリズムを変えたが一本調子だったというのは否めない。自分の課題への取り組みが、まだ足りない」と話し、会見を終えた。
思わず笑顔
 防衛に成功した柴田は、「前半は相手のペースになってしまったと思う。ジャブを出し続けているうちに相手も失速してきた。途中採点を聞いて安心したのもあったが、中盤は無理やり足を使って自分のペースに戻そうとしたが、後半は自分のペースに戻せたと思う」と試合を振り返った。
柴田は西田を称える
 以前、スパーをした挑戦者・西田について「まとめ方が上手くなっていた。くっついてもパンチが出るし、打ち終わりを狙われているのが分かって、対策してきたなと感じました。2ラウンドのボディは効きましたね(笑)。前に出てくる選手と12ラウンドやりきる事ができたのは良い経験になったと思います」と話し「まだ課題はあるが、ベルトがあるうちは上を目指して頑張ります」と意気込みを語った。
渡辺均会長
 会見に同席した渡辺均会長は「まだまだ身体は動くので村田諒太(三迫)選手との距離を縮めさせたい。まずは防衛を重ねること。ベルトに関しても今後考えていく」と抱負を語った。