1R、ともに頭が低く、踏み込んだところでカルドザが眉間をカット。続く2Rは、小関が右目上を負傷。いずれも偶然のバッティングによるものだが、WBCルールによりそれぞれの負傷に両者から1点が引かれる。闘いは3R以降、挑戦者の右を警戒した小関が回転で勝り、コツコツと友好打で積み重ねると、4R終了時の途中採点を3者ともに39-35でリードする。右が当たらないカルドザは、小関の頭が度々ぶつかったことも影響しダメージが蓄積。小関の左を浴び腰を落とす場面が増える。7R終了時の採点も小関がほぼフルマーク。8Rにはボディ連打で追い込んでも見せたが、カルドザも最後まで諦めずに圧力をかけ続けた。倒すことはできなかったが、圧勝とも言える内容で、小関が12度目のタイトル防衛に成功するとともに、無敗記録を15に伸ばした。

防戦記録を伸ばし控え室に戻った小関だったが、「久々にいい仕上がりだったのが出せてなかった」と意気消沈。試合内容について「パンチがある選手だった。カットして見づらかったが、相手も同じ。気持ちの強さを見せられたのが、唯一の見せ場だったかもしれないですね。男子とスパーリングをしてたのが良かったです」と静かに話した。有吉会長は、「最近では久しぶりに危機感をもっていた試合だった。勝ってホッとしてます。次のことは、まだ考えていません」と明かした。

会見を終えた小関に改めて勝因を聞くと、「今まで練習してきた事が出たんだと思います」と話すと、「いつも会長に怒られているが、試合の日は怒られないのでメンタル面が強くなってると思います」とようやく笑顔を見せた。

応急処置を施し、控え室に戻ったカルドザは、「私が戦った中で一番強かった。サウスポーは初めてだったので、さらに強く感じた。技術が高く良い選手だったが、頭から入ってきた時はやりづらかった。コーナーが頑張ってくれたので血は気になりませんでした」と試合を振り返った。最後にカルドザは、「綺麗な国だし、良い人達ばかりでした。日本が大好きです」と控え室を後にした。