[ニュース]2013.10.20
5人が挑戦権をゲット
最強優勝者たち
 優勝者が来春のチャンピオン・カーニバルで日本王者に挑戦する権利を手にできる「最強後楽園」の決勝戦が19日、東京・後楽園ホールで行われた。今年は5階級で実施されたが、スーパーウェルター級はエントリーしていた元日本王者の佐々木左之介(ワタナベ)が負傷、引退したため戦わずして十二村喜久(30=角海老宝石)の優勝が決定。覇権は残りの4階級で争われた。日本王座挑戦の切符を手に入れたのは――。
後半の強さを見せた堀川
 ライトフライ級は2位の大内淳雅(28=角海老宝石)と3位の堀川謙一(33=SFマキ)の組み合わせとなった。積極的に攻めて出て先手を取ったのは大内だったが、2回からは堀川が押し返して主導権を掌握。拮抗したラウンドが続いたものの堀川は6回に右を効果的にヒットして優勢を印象づけた。78対75、77対76、76対76の接戦を制した堀川は、38戦25勝(4KO)12敗1分。「採点を意識して、いつもより自分から攻めていった」と息を弾ませた。
ロープの外まで飛び出てしまった石崎
 スーパーフライ級は1位の戸部洋平(26=三迫)対4位の石崎義人(31=真正)というアマチュア出身者同士のカードとなった。積極的に距離を詰めて乱戦に持ち込もうとする石崎に対し、戸部は左ジャブを突いて距離を保ちたいところだが、思うような展開に持ち込めない。それでも徐々にペースを手繰り寄せ、5回終了間際にはワンツーで石崎を後退させた。そこにさらに右をフォローし、痛烈なダウンを奪った。顔面からキャンバスにダイブした石崎を見たレフェリーはカウントをとることなく試合をストップした。「最後の右は手応えがあったような、なかったような…。次に繋げることができたのでホッとした」と、喜びよりも安堵した様子だった。9戦7勝(4KO)1敗1分。
瀬藤を2度倒した中嶋
 スーパーバンタム級は元日本暫定王者で現2位の瀬藤幹人(33=協栄)対8位の中嶋孝文(29=ドリーム)という経験値の高い者同士の組み合わせとなった。変則型の瀬藤は開始直後から左手を下げたスタイルから果敢に攻めて出たが、ラウンド終盤に中嶋の右を浴びてダウン。2回にも不規則な攻撃を仕掛けた瀬藤だが、中嶋は落ち着いて対応。3回、中嶋の右で再び瀬藤はふらつき、加えてバッティングで右目上をカットするハンディキャップを負った。迎えた4回、中嶋はワンツーをクリーンヒット、瀬藤を再度キャンバスに落下させた。ストンと真下に座り込むようにダウンした瀬藤を見てレフェリーが試合をストップした。8位から一気に挑戦権を掴むことになった中嶋は「相手をよく見て戦えた。右は練習していたので、踏み込んで打てば当たると思った」と、してやったりといった様子だった。29戦22勝(9KO)6敗1分。
泉の突進を凌いだ内藤
 2位の泉圭依知(31=18鴻巣)対3位の内藤律樹(22=E&Jカシアス)のスーパーフェザー級決勝戦は、混戦となった。先手をとったのはラフファイターの泉。試合開始と同時に猛然と攻めかかり、サウスポーの内藤に間合いを与えずに押しまくった。後手に回りながらもクリーンヒットを許さずに前半を凌いだ内藤は4回、右のボディブローを再三ヒットして流れを引き寄せた。それでも泉の突進は止まらなかったが、以後は有効打で内藤が上回った。6回、内藤はバッティングで左目上をカットするハンディキャップを負ったが、泉も減点を科されたため相殺となった。最後まで乱打戦は続いたが、78対74、77対74、76対76の2-0で内藤の手が挙がった。「もっと正面から来るかと思ったが、(泉が)頭をサイドに振るなど工夫して出てきたのでやりにくかった。パンチは見えていたけれど、まだまだパワー不足、経験不足」と、最後まで内藤に笑みは見られなかった。8戦全勝(4KO)。
左から戸部、中嶋、内藤
 スーパーウェルター級の十二村は、前日の計量をパスしたことで優勝が決定。ひと足早く11月29日に湯場忠志(都城レオ)の持つ日本スーパーウェルター級王座に挑戦することが決まっている。
 なお、決勝戦終了後にはマスコミの投票によって大会の3賞が決定した。最優秀選手賞にスーパーバンタム級の中嶋孝文、技能賞に戸部洋平、敢闘賞に内藤律樹がそれぞれ選ばれた。