[試合後会見]2013.9.8
下田は元世界ランカーと対戦
下田の左が捉える
 前WBA世界スーパーバンタム級王者で、現在はWBA世界フェザー級2位にランクされる下田昭文(28=帝拳)は7日、東京・後楽園ホールで元世界ランカーのアレハンドロ・エルナンデス(27=メキシコ)と対戦した。4月の前戦で不本意な引き分けに終わっている下田は、はたして再出発となる試合で存在感を示すことができたのか。
試合は判定に
 サウスポーの下田に対し、エルナンデスはガードを高く上げた覗き見スタイルで応戦。3R、エルナンデスが左構えにスイッチすると、下田はやや対応に苦慮、相手の攻撃を持て余してしまう。それでも5Rからは左を上下に散らしてペースを掌握し、8Rにはワンツーでチャンスを広げた。しかし、2度の世界戦経験を持つエルナンデスが折々で振ってくる左フックを浴びるなど、圧倒するまでには至らない。リードして迎えた最終回にはバッティングで右目上をカットするなど、もうひとつピリッとしないまま試合終了のゴングを聞いた。採点は97対94、98対93、99対91と明白な差がついていた。
下田の会見
 控室に戻ってきた下田の右目上は2センチほど裂け、右目下も赤黒く腫れていた。やや疲れた様子で椅子に座った前世界王者は「パンチは切れていたけれど、相手に粘られてしまった。試合慣れしているなと感じました。左の切れはよかったので、もっと右で煽りたかったけれど、パンチをまとめられませんでした」と手応えと反省を口にした。本田明彦会長は「相手がパンチがあってやりにくいとはいえ、下田自身が中途半端だった」と評した。現在はWBAでフェザー級2位にランクされている下田だが、今後に関しては「どちらでもチャンスがある方で」と話した。33戦28勝(12KO)3敗2分。
試合後のエルナンデス
 一方、右目下を赤く腫らしたエルナンデスはレフェリーの対応に不満だった様子だ。「自分ではいい試合をしたと思うが、レフェリーはキドニーブローも後頭部へのパンチも注意しなかった」と、まくしたてた。下田に関しては「効いたパンチなんか一発もないよ。世界?いまのままでは難しいだろうね」と辛い評価を下した。37戦25勝(14KO)10敗2分。
世界戦は秒読みか…