[8・25]2013.8.27
激闘2日後の田口&柴田
ジムのエレベーター前で質問に答える田口
 激闘から2日経った27日、前日本ライトフライ級王者となった田口良一(26=ワタナベ)と、東洋太平洋ミドル級王者の柴田明雄(31=ワタナベ)がジムに姿を現した。田口は25日にスカイアリーナ座間で井上尚弥(20=大橋)に10回判定負け。柴田は12年ロンドン五輪ミドル級金メダリストの村田諒太(27=三迫)のプロデビュー戦の相手を務めたが、2回TKO負けを喫している。
敗れてもその姿勢に賛辞
 27日夕方、田口がワタナベジムに顔を出した。井上との試合では折々で抵抗を示し勝負を判定まで持ち込んだが敗退。在位は4ヵ月の短命に終わった。「この前の試合では(井上に)対抗できる力がついていたと思う。以前にスパーリングをやったときは、日本タイトルマッチの直後で、気持ちが一段落モードだった。そんなときに井上選手に圧倒されて、出稽古で色々なタイプと戦ってきた選手の強さが分かった。だから、今回は自分も同じような準備をして臨んだ。井上選手のいまの実力がどれくらいかは分かったけれど、自分がそこまでの実力に及ばなかったということ」と、田口は試合を振り返った。右目の上にもアザが残っていた。
 入れ違いのように柴田もジムへ。村田の圧力、パワーの前に持ち味を発揮できずに2回TKOで敗れ、試合直後はショックを隠し切れない様子だった。まだ気持ちの整理ができていないのか「完敗です。何もできなくてすみませんでした」と語るにとどまった。
 ふたりの指導を担当している石原雄太トレーナーは「本人は口にしようとしないが、柴田は腰痛が深刻で、今月に入るまで満足に動けなかった。結果が同じであっても、本調子で臨めなかったことが悔やまれる」と明かした。
 渡辺均会長は「両方の相手が2大エリートだったとはいえ、プロで何度も修羅場を潜り抜けてきた田口と柴田がどちらも勝てなかったので、やはりプライドが傷つけられた。下馬評は不利でも、うちは両方勝つつもりだったから。ゴールデンタイムでの試合で頑張ったので、また両選手にチャンスを与えていきたい」と話した。