[試合後会見]2013.7.26
東西ホープ対決の結末は
好カード、東西激突
 25日の後楽園ホールは好カードが目白押しだった。なかでもひと際注目を集めたのが日本ライト級6位の土屋修平(26=角海老宝石)対同級11位、中谷正義(24=井岡)の8回戦だった。東西ホープ対決は予想に違わず初回からスリリングな展開となった。
明暗
 中谷は180センチの長身から鋭い左ジャブを突いて土屋を煽り、機を見て右を打ち下ろすパターンで主導権を掌握。土屋も折々で飛び込もうと機会をうかがったが、なかなか好機を掴めないまま時間が過ぎていった。中谷がリードしたまま、試合は3Rに突入。この回、中谷は左ボディブローを土屋の脇腹にめり込ませダウンを奪った。辛うじて立ち上がった土屋だが、ダメージは深刻だった。再び同じところに左を浴びて2度目のダウン。今度は10カウント以内に立ち上がることはできなかった。
土屋修平
 控室に戻った土屋は「見てのとおりの完敗です」と、悔しさを押し隠しながらも意外にさばさばした様子だった。「(中谷の)左ボディブローにはびっくりしました。分かってはいたけれど、いい角度で入ってきて効きました。以前なら外せたはずのパンチが外せなくなっているんです」と、最後は自問するように話した。2月に川瀬昭二(松田)に9RTKO負けを喫したのに続く敗北となった。16戦14勝(12KO)2敗。
中谷正義
 一方、高校時代のチームメートでもある井岡一翔、宮崎亮(ともに井岡)らとともに控室に戻った中谷は、しばらくは興奮冷めやらぬ様子だった。「倒したのは自然に出たパンチ。ジャブ突いて右から左ボディというパターンが得意なんですが、思っていた以上の出来でした。(土屋は)強い選手なのでプレッシャーがありました。KO負けしたらどうしようと思ったり、怖かった」と、試合前の胸中を明かした。ライト級の日本王座と東洋太平洋王座は土屋のジムメート、加藤善孝が持っているだけに、一気に挑戦ムードが高まった。「加藤選手はいい選手ですが、挑戦したいですね」と、早くも次の目標を口にした。戦績は6戦全勝(5KO)。
井岡ジム陣営
 中谷は大阪の興国高校から近大でアマ60戦(45勝30KO15敗)の戦績を残し、2年前に井岡ジムからプロ転向。大学に進学したため井岡、宮崎を追うかたちとなっているが、この勢いを維持すれば二人に追いつく日も遠くはないと感じさせる内容だった。
中谷正義に注目。