[動画・記者会見]2013.7.9
清田、神風を吹かせる!!
睨み合う両者
 7日にドレスデン入りした清田は、翌日8日に催されたWBO世界スーパーミドル級タイトルマッチの会見に臨んだ。
 会見場となったカフェレストランLUISENHOFには、当日の試合を生中継するテレビ局のカメラと、現地の報道陣が集まり、王者ロバート・スティーグリッツ(32=独)VS挑戦者・清田祐三(29=フラッシュ赤羽)戦のドイツ国内における注目度の高さがうかがえた。
会見風景
 会場となったLUISENHOFは、1895年に作られた世界最古のケーブルカーの終着駅があるドレスデン北部の丘陵地帯にあり、観光名所としても有名であった。
 マスクを着けて姿を現した清田を見た報道陣から「なぜマスクをしているのか。体調が悪いのか。ドイツのボクサーはマスクをしないが」と質問が及ぶと、王者スティーグリッツも不思議そうな顔で挑戦者を見つめる。これに対し清田は「体調は万全です。ドイツは分からないが、日本のボクサーは減量に入ると風邪予防のためにマスクをします」と説明した。
左:スティーグリッツ 右:清田
 報道陣から清田に、ボクシングは日本で人気があるのかと尋ねられ「ロンドン五輪で日本人がボクシングで金メダルを獲り、注目されている。僕がWBO世界スーパーミドル級タイトルを奪えば、もっとボクシングの人気が上がる」とWBOのベルトが起爆剤になるとコメント。
改めてタイトル奪取の自信を求められ清田は「ドレスデンはとても素晴らしい街。ここで僕が日本人最初のWBO世界スーパーミドル級王者になることを確信している。王者はスピードも速く、回転力もある本当に強い選手だが、KOで勝って日本にベルトを持ち帰ります」と意欲を見せれば、スティーグリッツも「判定でもKOでも、私が勝つことに変わりはない。12ラウンド戦う準備はすでに整っている」と過去に6度のタイトル防衛を成し遂げ、今年4月にアルツール・アブラハム(33=独)を4回TKOで破り、復権を果たした名王者は貫禄を漂わせた。
清田、王座奪取だ
 フォトセッションに移った両雄だが、会見中もあまり視線が交わることもなく、カメラマンから「顔を合わせて向かい合って」とリクエストが飛び、始めて至近距離で互いの顔を確認する状況となった。最後まで激しい睨み合いや舌戦は展開されなかったが、スティーグリッツも清田も静かな闘志が燃え上がっていた。
最後に記者が「日本からカミカゼがドイツにやって来た」と新聞で報道されている話すとアジアの拳王は「僕は世界チャンピオンになるためにドレスデンにきた。13日は神風を吹かせます」と自らに気合いを入れた。