[試合明け会見]2013.1.2
それぞれの道
3チャンピオン
 大晦日に開催されたトリプル世界戦。WBA世界スーパーフェザー級王者で6度目の防衛に成功した内山高志(ワタナベ)と同門の後輩でWBA世界スーパーフライ級新チャンピオンの河野公平と同じウェイトのWBC世界王者で、無敗の挑戦者・赤穂亮(横浜光)との日本人対決で話題を集めた佐藤洋太(協栄)が、それぞれの試合を放送したテレビ東京の会見場に姿を見せ、うれしい新年の報告を済ませた。
世界チャンピオン・内山高志
 最初にマイクを握ったWBA世界スーパーフェザー級王者の内山高志は「思ったよりもパンチがあって、当てにくかった」と今回の挑戦者・ブライアン・バスケスの印象を語ると「ボディを打ってきたので、打ち返した。後半に入って相手のペースが落ちてきたので、会長の指示通りコツコツと当てにいった。考えながら出来た試合」と改めて試合を振り返ると「ダウンのない全勝の相手にしっかり勝てたのはよかった」と自信を見せた。
共同会見
 強敵ユーリオルキス・ガンボア(キューバ)との対戦に話が及ぶと内山は「やってみたい」と目を輝かせた。会見に同席した渡辺会長も「できることならやらせたい。場所は日本でも、本場アメリカのリングでもいい」とビッグネームとの対戦を後押しした。
統一戦?
 赤穂亮との日本人対決で話題を呼んだWBC世界スーパーフライ級王者・佐藤洋太は会見の席で「気が早いかもしれないが、今年はIBFやWBOも国内解禁となる可能性もあるので、スーパーフライ級のベルトを一つにしたい。世界チャンピオンになっても一番強いことを証明できないのが今のボクシングなので、王座を統一して、スーパーフライ級で防衛回数を増やしたい」と心の内を明かした。共同会見の席に同席したWBA世界同級新チャンピオン・河野公平との王座統一戦にも関心を示したが、これには河野が「大晦日の試合に集中していたので、今は何も考えられない。ちょうど1年前に佐藤選手と試合をして自分は負けたので、(今回獲得したWBA世界王座を)2,3回防衛してからじゃないと、今佐藤選手に挑戦したいというのはチャンピオンに失礼になる」と、やんわりかわした。
高橋トレーナーと河野公平
 大晦日に衝撃のノックアウト勝利を収めた河野公平は「テーパリットは左右の打ち終わりにガードが下がる癖があったので、打ち終わりにカウンターを合わせる練習を繰り返した」と今回の試合の対策の一部を明かした。これには、トレーナーの高橋氏も「初めに倒した左フックは何度も練習した。パンチを当てるのは予定通りだったが、倒したのは想定外だった」と二人三脚で準備をした新チャンピオンを称えた。
渡辺均会長
 渡辺会長をはじめ高橋トレーナー、そしてチャンピオン本人さえ「実感がない」と口をそろえた河野陣営。ワタナベジムで練習生からボクシングを始めた河野をここまで育てた渡辺会長も「頑張っている選手をワタナベジムはサポートするということを示したかっただけ。テーパリッドには挑戦者候補が多くいた中で、今回の世界挑戦が出来ただけで、試合の勝敗に関係なく、ジムとしては勝利していた」と試合前の心境を明かすと「一時は引退という選択肢も頭をよぎったことがあったが、高橋トレーナーと河野選手は二人で毎日ジムの5階で、大晦日に向けた対策練習をしていた。練習が大事なことを改めて知ることになった。」と研究と実践の成果に頬を緩ませた。