[王者の目]2012.11.4
飯田覚士の目
飯田覚士氏
 3日に開催されたダブル世界戦は東北復興支援チャリティーイベントとして、地元の高等学校ボクシング部など2000人の招待客を含む5200人のボクシングファンが熱い声援を送った。この模様はエキサイトマッチ(毎週月曜夜9時放送)でボクシング通にもおなじみのWOWOWで無料生放送された。また、WOWOWはボクシングの初心者向け案内番組として、元WBA世界スーパーフライ級王者の飯田覚士氏がナビゲーターを務める「ボクシングNavi」もスタートした。
 今回のダブル世界戦をリングサイドで観戦した飯田氏にこの試合を振り返っていただいた。
WOWOWボクシングNavi
 地元ファンからの大きな歓声に包まれて登場した五十嵐の戦い方に関して―
飯田氏: 今日の試合は五十嵐選手らしくフットワークが使えた上に攻撃力もアップしていましたね。ただ、五輪出場経験もあるアマ出身とあって、距離を詰めてからの連打でポイントを取ることは出来るのだけど連打の後に下がってしまっている。従って、相手の中に入って接近戦をしているように見えるが、本当の接近戦ではない。本来ならば接近してから左右に動くなどして強いダメージを与えるパンチにつなげていかないといけない。今後の課題といえるでしょう。
山中慎介
 衝撃的なノックアウト勝利を収めた山中選手に関して―
 挑戦者のロハス選手は階級を上げたことで、減量苦から逃れてもっとのびのび来ると思ったが、山中選手が上回った。距離感がよくロハスに空回りさせて、調子に乗せないようにさせたところが素晴らしい。