[試合後会見]2012.11.3
衝撃の結末
山中vsロハス
 3日に仙台で東北復興支援チャリティーとして仙台市内にあるゼビオアリーナで開催されたダブル世界戦。メインのリングに上がったWBC世界バンタム級王者・山中慎介(帝拳)と挑戦者のトマス・ロハス(メキシコ)。サウスポー対決は衝撃の結末が用意されていた。
※試合速報の写真も併せてご覧ください。
ジミーレノンJr.が勝利コール
 試合が動いたのは7ラウンド36秒。身長とリーチで上回る挑戦者ロハスが射程距離に入ると、王者山中の左ストレートがロハスの頬を捉える。続けて右アッパー、そして止めは強烈な左ストレート。その瞬間、王者の視界からロハスは前のめりに崩れ去った。この日集まった5200人の地元ファンからは歓喜の声―。アッパレ、山中!?
 大応援団のアーチに囲まれながら会場を後にしたチャンピオンは、控室で記者団の質問に答えた。
大応援団に囲まれて
 7ラウンド開始早々にダウンを奪った山中だが、5ラウンドあたりから赤コーナで試合を注視する陣営から「打ち込め」の指示が出ていたという。大和トレーナーから「息子が見てるぞ」と発破をかけられ、先日生まれた長男豪祐君のことが頭を巡ったという。6ランドが終わりコーナーに戻ると改めて「ゴーサイン」が出たという。それでも「最後のパンチは狙ってなかった。感触はなく。抜ける感じだった。」と鮮烈なノックアウトシーンを回想すると「自分の左は強いと思いますよ。」と笑顔を見せた。
トマス・ロハスがダウン
 前評判の高かった挑戦者ロハスに関して「動きは想像より柔らかくなく。スピードもそれほど速くなかった。試合中焦ることはなかった。」と貫録を見せた。
アッパレ山中
 それでも序盤の戦い方として「ジャブを戻した時の(相手の)返しを警戒したのと遠く感じたのでジャブが少なかった。」と慌てずに自分のペースで戦ったことを明かした。
山中慎介
 先日世界中のボクシングファンの注目を集めたジムの先輩の西岡利晃とノニト・ドネアの試合に話が及ぶと「自分は自分。でも、ああいう大舞台で戦ってみたい。」と目指す先を明言した。