[試合後会見]2012.10.2
怪物井上デビュー
満員の後楽園ホール
 怪物・井上尚弥(大橋)のデビュー戦が2日、超満員の後楽園ホールにて行われた。
ボディを打ち込む井上
 アマチュア7冠の実績に裏付けされる試合運びで、初回に右ストレートボディでダウンを奪った井上は、4ラウンドに左アッパーをボディに決めると2度目のダウンを奪い、試合終了。デビュー戦を期待どおりにノックアウト勝ちでクリアした。
クリソン・オマヤオ
 試合後の控室に戻った、比国ミニマム級王者で東洋太平洋同級7位のクリソン・オマヤオは取材陣の問いかけに対し「(井上は)ストロング!」と一言印象を話すと下を向いた。
五輪銅メダルの清水聡
 井上選手のアマ時代の先輩で、この日会場で観戦したロンドン五輪ボクシング競技で銅メダルを獲得した清水聡(自衛隊体育学校)は「アマでも経験を積んでいるので、リングで何をすればいいか分かっていたので安心して見られた」と後輩のボクシングを称え「(井上選手の)お父さんもボクシングを分かっているので、二人三脚で頑張っていってほしい」とエールを送った。
デビュー初戦で東洋ランク入りも確実
 アマ・プロボクシング界の注目を集めたデビュー戦を見事KO勝利で飾った井上だが「ホッとしている。KOで倒せたのは満足しているが、 それまでが全然ダメ。課題を克服していきたい」と自身に対し厳しい評価を下した。
 父でトレーナーの真吾氏は「デビュー戦としては悪くないが、いらないパンチをもらった。課題がたくさん見つかったが、かえってよかった」と試合を振り返った。
観戦に訪れた韓国協会長を交えて
 アマとの違いを尋ねられると「初めはアマで届いていたパンチが届かなかったが、2ラウンド以降修正できた。スタミナは問題なかった」と多少の戸惑いがあったとのことだが「最後のパンチは流れで出たパンチ。全力で振り切ったパンチではなく、抑え気味に打った」と落ち着いた表情でノックアウトシーンを振り返った。
 世界タイトル最短記録への期待が寄せられる中、本人は「いつも頭に入れている。お父さんと大橋会長に任せているが、チャンスがあればやりたい」と高い目標へ迷いはなかった。