井岡一翔(井岡)は、2008年に開催された北京オリンピック出場を目指した経験を持つ。
　今回のロンドン五輪で準決勝に勝ち進んでいる清水聡選手と村田諒太選手は、井岡にとって全日本合宿等で一緒に汗を流した先輩達である。今回の日本アマチュアボクシング界の快挙に手放しで喜びのコメントを寄せ、如何にオリンピックのボクシングでメダルを取ることが困難なのかを熱く語った。

■ロンドン五輪でのボクシング日本代表の活躍をどう見ていますか?
井岡:そうですね、嬉しいですね!
■やはりオリンピックで勝つのは難しいものですか?
井岡:まず、出場することが難しいので、メダル取るってことはかなり難しい事やと思います。やっぱり、各国の代表選手がそこに懸けて来てるので、モチベーションもそうですけど、五輪に標準を合わすってすごい高いレベルになっていると思うので、そこで結果を出すのはすごい事。僕からすれば「出場」すること自体がすごいと思うんで、やっぱり感動しますね。
■今でも五輪に出られるなら出てみたいですか?
井岡:ん…どやろ。正直、メダリストになる自信は無いですけど、まあ、憧れはやっぱり有ります。今ロンドン五輪見ても、ボクシング競技だけじゃなくても羨ましいし、カッコいいなとか…チームジャパンっていうじゃないですか、繋がりのないスポーツの人もみんな団結してて、そういうのに憧れを感じます。今回ボクシングでメダル確定してるんで、ボクシング界としてもいい話やと思いますね。

■村田選手や清水選手はご存知ですか?
井岡:そうですね、合宿も一緒に練習させてもらった事もあるし、清水さんは一緒に国際大会にも行かせてもらったことがあります。 二人とも先輩なんで、清水さんは気さくに話してもらった事もありますし、村田さんは同じ近畿地区(奈良出身)でよく挨拶させていただいたんですけど、優しいんですけど、見た目怖い感じじゃないですか?でも優しくしてもらいましたし、清水さんなんかは北京オリンピックの経験もあるんで、そこを自信に頑張ってるんじゃないですかね。
■村田選手は重量級ですが、プロに進んでも通用すると思いますか?
井岡:まあ、すると思いますね。転向したらしたで、プロに直ぐに馴染めると思うし、それだけ身体能力的にも優れてると思うんで、直ぐ戦い方も馴染んでイイ結果を残せると思いますね。

■アマチュアは3分3Rしかないですが。プロとアマの違いは?
井岡:わかりやすく言えばそこですよね。その短いラウンドでどれだけハイテンポでポイントを競えるか、稼ぐかっていうのがポイントになると思うんで、だから一発良いパンチが当たってダウンしても1ポイントなんですよ。アマのボクシングはゲーム感覚ですよね。 無駄なパンチを少なくして正確に打ち込んで、特に頭も使わないといけないと思うんです。見えない駆け引きとか、体以外の細かい距離感を凄い意識して集中して戦ってると思うんで思っている以上に体力も使うと思います。
■世界チャンピオンになるのとオリンピックで金メダル取るのとどっちが難しいと思いますか?
井岡:ん…どっちでしょうね?運もあると思うんですけど、やっぱオリンピックで金メダル取る方がかなり難しいと思いますよ。メダリストになるのと世界チャンピオンになるって言えば世界チャンピオンでしょうけど、金メダリストって言うのはそっちの方が難しいかもしれないです。

■統一チャンピオンになって世界が変わったと思うんですが、メダリストになると同じように世界が変ると思いますか?
井岡:変わって欲しいですよね。自分(井岡自身)だけが結果を残して世界を変えるっていうのは難しいと思うんですけど、やっぱ色んな人の力を借りて、盛り上げて行ってもらえるように、やっぱり頑張って結果を残した選手にはそれだけの報酬が有って良いんじゃないかと思うんで、より良いメダルの色を取って「良かった」って思って貰いたいし、そうであって欲しい。
■今年は井岡選手が日本人初の統一王者になって、オリンピックでも44年ぶりにメダルってなったらボクシング界も変わって行きますかね?
井岡:何かは変わると思います。イキナリは分からないですけど、徐々に注目されて行くんじゃないですかね。プロとアマチュアって特に日本は別れているんですけど、同じボクシングですし、ルールは多少違いますけど、スポーツとしては一緒のスポーツなんでね。 注目されてない中こうやってメダルを取ると、タイミング的には凄い良かったと思いますね。最近テレビでもボクシングってきくようになりましたしね。少しずつ、まあ、僕も変えていけるように頑張って行きます!
■両選手には何色のメダルを期待しますか。
井岡:ここまできたら一番輝いてる金メダルを取って欲しいです!