[井岡会見]2012.6.29
WBC世界王座を返上
見納め2本のベルト
 29日、日本人初のWBC・WBA世界ミニマム級統一王者の井岡一翔と父でトレーナー兼プロモーターの井岡一法氏が井岡ジムで会見を開き、WBC世界ミニマム級のベルトを本日付けで返上することを発表した。
左:一翔・右:一法氏
 日本ボクシング史上初となったWBC・WBA世界王者統一戦から9日、ファンの注目は、井岡一翔の今後についてだが、井岡一法氏からの説明によると、『八重樫選手に勝ったことで、八重樫の所属する大橋ジムが持っていたWBA世界ミニマム級のオプション(※世界戦のプロモート権)1試合分を井岡サイドが買い取ることになる。井岡ジムとしてはこのオプションを行使する際に、一翔にWBAのベルトを返上させ、井岡ジムに所属する宮崎亮を王座決定戦に出場させたい意向。』そのため、今回はWBCのベルトを返上し、一翔は従来の階級であるライトフライとフライ級に照準を当て、4階級制覇という野望に向け準備を始めるという。「宮崎には出来る限り年内に世界挑戦をさせたい。理想的には、一翔の2階級目の世界挑戦とダブル世界戦にしたいが、難しいだろう。」と一法プロモーターは現在の心境を明かした。
井岡一翔
 複数階級制覇に伴う体重増量の管理方法について一法氏は「ライトフライで世界挑戦する場合は、単純に従来の体重に戻すだけなので、パワーも元に戻るだろう」とし、「フライ級にまで一気に上げる場合には体を作りにいく。」との考えを示した。
リラックスムード
 終始リラックスした表情を見せた一翔は「心身ともに体調は日々回復に向かっている」と話すと「ミニマム級で4試合もすることになるとは思わなかったが、八重樫さんに統一戦のチャンスをもらい勝つことが出来て、日本人初の統一王者にもなれたので、思い入れのある階級になった。ベルトを誰かに取られることなく返上できるのは幸せだと思う。」と話す一方で「次はもう始まっている。」と複数階級への思いを口にした。
WBCベルト返上
 統一世界王者という実績を評価されることは間違いないが、ライトフライ級、フライ級どちらで戦うにせよ世界挑戦のためにはWBC・WBAそれぞれの世界王者のスケジュールや条件などを考慮し、井岡一法氏がプロモーターとして、交渉に乗り出すことになる。
 日本人最速7戦目で世界王座をつかみ、日本人初のWBC・WBA世界統一王者となった井岡一翔の次のターゲットは、日本人初の4階級制覇。今後もゴールデンボーイから目が離せない。