当日に使用するグローブを手にしたスリヤン陣営は「グローブが変だ!!」と抗議の姿勢を見せ、早くもタイトルマッチに向けて駆け引きを始めた。
　ここで金平会長は慌てず騒がず「神経質ですね～!!」と一笑に付し、JBCもスリヤン陣営を諭すと、渋々グローブに"OK"のサインを入れた。

　グローブ問題も無事解決し、当日の試合を中継するTBSが代表質問を行い、まず始めに現在の心境を王者スリヤンに尋ねた。「100%僕が勝つ。心も身体も充実している。日本は寒いが、減量も調整も問題ない」と静かな口調で語り、挑戦者・佐藤の印象には「改めてこうして並んでも全く緊張していない。僕はムエタイで200戦以上経験しているから(笑)。普通の気持ちだよ」と余裕の表情を浮かべた。
　そしてスリヤンは佐藤に対し「リングに上がったら敵であり戦うが、リングを降りたら友達になろう!!」と友好的なメッセージを送り、最後に「明日はラウンドごとに戦い方を変えて戦う。僕のボクシングを楽しみにして欲しい」と意気込みを語った。

　続けてTBSは、挑戦者・佐藤に心境を求めると「とても感慨深い。この舞台に立てることは最高です。コンディションも良い。スリヤンが100%に仕上げたならば、僕は200%に仕上げた!!」と絶好調を宣言。
　改めて王者スリヤンの印象には「僕はタイが好き。リングの上では敵ですが、明日は楽しく戦いましょう。スリヤンは良い人そうですね(笑)。友達になるのは大歓迎!!僕がタイトルを獲って友達になりましょう」と王者のメッセージに答えた。

　最後に佐藤は「体格差があるのは解っていた。打ち合う場面もあると思うが、その時のイマジネーションで戦う。限界まで追い込んできた。周囲の協力で成り立っている。震災から1年。僕は岩手出身だから東北に力を与えたい。本当に勝ちたい!!全力で戦います」と必勝を誓った。

　王者スリヤン・ソールンビサイの母国タイからは多数の報道陣が駆けつけ、調印式の会場では日本語とタイ語が飛び交い、王者に掛かるタイ国の期待の大きさが見て取れた。
　果たして"みちのく魂"佐藤洋太はスリヤンを打ち破り、日本人現役同時最多となる9人目の世界王者となることができるのか…。

■WBC世界Sフライ級タイトルマッチ12回戦
王者スリヤン・ソールンビサイ(タイ)VS挑戦者・佐藤 洋太(協栄)
■日時:3月27日(火)
■会場:後楽園ホール
■お問合せ:協栄ジムTEL.03-3205-3838