[公開練習]2012.2.16
対照的な両挑戦者
左:ヒメネス 右:サリナス
 19日のダブル女子世界戦(大阪・よみうり文化ホール)に挑む両メキシコ人選手、マリア・サリナスとマリア・ヒメネスが15日、大阪府豊中市のワイルドビートジムで公開練習を行った。
 WBA女子世界ミニマム級王者・多田悦子(フュチュール)7度目の防衛戦に挑むサリナスは、前日の予備検診で多田に「顔では負けや」と言わしめた美貌の挑戦者。物静かな彼女の会見は、同席したジョー小泉氏の音頭でようやくしゃべりだす感じであった…。
サリナスの公開練習
 今回が初来日のサリナス。本国では1月からスパーリングを始め、3日に一回のペースで1日5R程度の調整をしてきた模様。多田の映像は一度も見ていないらしく「自分のボクシングをするだけ。日本は寒いが体調も良く、必ず勝ってメキシコに帰りたい!」と、控えめな中にもベルト奪取に意欲を見せた。
 多田の強打は警戒しているとのことだが、トレーナーのオスカー氏は「彼女(サリナス)は勇敢だ!アウトボクシングで相手に打たせず、大きなフックをボディーに打ち込む練習をしてきた。サリナスは頭を使ってボクシングをする」と自信のコメント。また、彼女の得意は左ストレートからのコンビネーションとのこと。
 食事に関しては日本のお米が苦手なようで、来日3日目となり「タコスの辛い味が恋しい(笑)」と、会見で初めて白い歯を見せた。その後、ウォーミングアップと軽い筋トレをして40分ほどで練習を切り上げていった。
ヒメネスのミット打ち
 続いて、WBA女子世界ライトミニマム級王者・安藤麻里(フュチュール)の初防衛戦に挑むヒメネスの会見。
 サリナスとは対照的に、ラテン系の明るさで笑顔が印象的な彼女も相手の映像は一度も見ていないらしく、サリナスと同じく3日に一度のペース、1日5Rのスパーリングで調整し、ウェイトはすでにリミットを下回っているそうだ。
 「自分の得意なボクシングに持ち込めたら勝てる」と、自信を含んだ笑顔で話したヒメネスは、リングには上がらずトレーナーとロープを5R、ミット打ちを3Rこなし、軽く汗をかいた状態で練習を切り上げた。
 練習後、ジョー小泉氏は「二人ともメキシコ人だが体格(サリナス151cm、ヒメネス152cmと王者を下回る)が小さい分、スピードを生かし動いて相手を倒すボクシングをするようだ」と分析していた。