[試合後会見]2012.1.15
元王者対決の行方は!?
左:木村 右:李
 14日、後楽園ホールで開催された今年最初の「ダイナミックグローブ」は、元WBA世界スーパーバンタム級王者であり、WBC世界フェザー級6位にランキングされる李冽理(横浜光)と、約1年半振りの戦列復帰となる元日本スーパーバンタム級王者・木村章司(花形)の"元王者対決"フェザー級10回戦がメインイベントを締めくくった。
木村、見事に復活!
 序盤から木村が的確なジャブで李の出足を止め距離を掴むと、左フック・右ストレートで主導権を引き寄せる。李もプレスを掛けるが、木村は距離を詰められても右アッパーでアゴを跳ね上げ、攻め急ぐことなくジャブで距離を保ち、右クロス・左フックでポイントを奪う。木村が判定1-2(95-97・96-95・95-96)で世界ランカー李を撃破、"元王者対決"を制し高らかに復活の狼煙を上げた。
まさかの敗戦
 昨年8月、復帰初戦で福原力也(ワタナベ)に勝利し、2012年は"世界2階級制覇"を狙い復帰2戦目の木村戦に臨んだ李冽理であったが、まさかの敗戦に「手数で押していると思い、途中から勘違いしていた。コンビネーションもクリンチで封じられ、ディフェンスの上手さがあった」と試合を振り返った。
 木村の印象を尋ねられ李は「ブランクのある選手だし、どんな動きをするのか予想するのが難しかった。でも想定の範囲内だった。ここまで動きを封じられてしまっては…」と悔しさを滲ませる。
 世界再挑戦については「今はまったく考えられない…」と下を向く李に対し、石井会長は「本人と話してから。もう少し日にちを置いて李と話し合います」と今後について白紙であるとコメントした。
喜びの会見
 一方、大金星を上げた木村陣営の控え室。花形会長によると、木村は前回のタイ国での世界挑戦失敗からジムには来ていなかったらしく、練習も今回の復帰戦が決まった3ヶ月前から開始したそうだ。「やる前はほとんど負けると思っていた。判定ではもっと負ける思ったが(笑)、相手を上手く捌いた。世界戦の時よりも良かった。これもベテランの味だな」と、嬉しい誤算に満足げな花形会長。遅れてやってきた木村も「ボクシングはこれがあるから面白い!李選手がどうのより、怪我もなくしっかり練習できたのが一番の勝因。そしてジムの支えがあったからこそ」と会長に感謝。さらに「これで元世界王者を4人も倒したんだからシルバー、いやロートルベルトでもくれませんかね(笑)」とジョークを飛ばした。
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 今回、1年半振りに復活した木村だが、実は5年間勤めていた会社を辞めてまで臨んだ復帰戦だった。今後について木村は「仕事と上手く両立できるほど甘い世界じゃない。この試合をするために会社を辞めたが、まずは(元の会社に)ケジメをつけてから考えたい」と話した。
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 今回の勝利で木村は再び世界ランクを手にする。花形スタイルでもある"しぶとさ"を武器に34歳からの再生劇が幕を開けた!