[試合後談話]2024.3.15
英洸貴vs中川抹茶が大熱戦!
期待通りの好ファイト!
 日本フェザー級13位の英洸貴(はなぶさ・ひろき/25=カシミ)と元日本ランカーの中川抹茶(29=スパイダー根本)が15日、後楽園ホールで開催された「Fighting Bee.28」のメインイベント、フェザー級8回戦で対戦した。

 石川県から乗り込んできた英と、復帰2戦目でランキング返り咲きを目指す中川の意地がぶつかり合った!
ドロー!
 初回はサウスポー中川が右フックを好打し、好スタートを切ったが、2回以降は、英が距離を潰して右ストレートを決め、積極的な攻撃を展開。6回にはワンツーで棒立ちにさせて、攻勢をアピールした。しかし、中川は7回に右フックで英の膝を揺らすと、最終8回も左ストレートから連打で盛り返した。試合終了のゴングが鳴ると、二人に対して盛大な拍手が送られた。採点は三者三様の引き分けで、決着はつかなかった。
「効かせた後の詰めが甘かった」
 試合後、囲み取材に応じた英(はなぶさ)は「思っていたよりやりづらくはなかったが、効かせた後の詰めが甘かった。序盤から距離を潰す作戦だったが、上半身が浮いてしまった。もっとセコンドが安心する試合を見せたかった」と反省の言葉を並べた。
「再戦したい」
 令和6年、元旦に発生した能登半島地震で、英が生まれ育った石川県内灘町は現在も断水が続いているなど、復旧のめどは立っていない。

 英が所属する金沢市のカシミジムは被害が少なかったため、1月2日からSNSで呼びかけて、ジムに集まった支援物資を被災地に届けたという。この日も「試合を見て元気をもらいに来た」と石川県から約40名の応援団が駆けつけた。

石川県から40名の応援団

 「皆の期待に応えることができなかったのが、本当に悔しい」と話すと、「できることなら決着をつけたい」と再戦を希望した。結果は引き分けだったが、英の闘志あふれるファイトは応援者の心を揺さぶったことだろう。
「勝ちたかった」
 一方、後半に猛追し引き分けに持ち込んだ中川は「ランキング入りしたかったが…。やってしまった」と、こちらも悔しさをにじませた。「右フックが当たって、初回はポイントを取ったので、これならいけると思ったが、相手の気迫がすごくて攻め切ることができなかった。このままでは負けてしまうと思い、7回からもう一度攻めた。気負うことなくリングに上がれて、調子は良かったのだが…」と天を仰いだ。

成長を確認できた

 昨年9月、約2年9ヶ月ぶりにカムバックし、復帰2戦目で日本ランカーと互角の勝負を演じた。「勝たないと意味がない」と話した中川だったが、「復帰したのは、ボクシングの楽しさを伝えたかったから。試合が盛り上がったのなら良かった。成長も確認できたし、次ですよ!」と、最後は晴れやかな表情を見せた。再戦に関しては「少し考えたい」と話すにとどめた。
採点表