[試合後会見]2022.11.17
日本ライト級王座戦! KO決着!
後楽園ホールが大熱狂!
 日本ライト級タイトルマッチ、王者の宇津木秀(28=ワタナベ)対同級4位のジロリアン陸(34=フラッシュ赤羽)が17日、後楽園ホールで開催された「WATANABE PROMOTION&DANGAN254」のメインイベントで行われた。

 群雄割拠のライト級で、メキメキと評価を上げている宇津木が、チャンピオンの力を示したのか? それとも、異色ボクサー・ジロリアンの強打が爆発したのかーー。
宇津木秀(ワタナベ)がV2に成功
 前日計量で「パンチをもらわずに圧勝する」と話した宇津木が、有言実行した。ゴングと同時に、右ストレートを打ち込み威嚇すると、ジャブを上下に散らし、積極的な攻撃を展開。ジロリアンの右オーバーハンドをガッチリとブロックした。2回、宇津木はボディを叩き体力を削ると、3回に左ボディでダウンを先取。再開後、右ストレートで倒すと、パンチをまとめてキャンバスに沈めた。
「相手のパンチは強いが見えていた」
 王者の力を示した宇津木だが「序盤から少し強気に攻めすぎてしまった。気持ちが入りすぎてしまった」とまずは反省点を挙げた。「距離が遠かったので、やりづらかったがボディ打ちは感触があった。2回目に奪ったダウンは、右ストレート。ドンピシャで決まったので、立って来れないだろうなと思ったら、立ってきたので、(ジロリアンは)根性があり、タイトルを獲るために来ている選手だなと思った」と冷静に試合を振り返った。
京口紘人も絶賛!
 この日、セコンドに就いた前WBA世界ライトフライ級スーパー王者の京口紘人(28)は「最初に右を打ち込んだが、そこは褒めるべき点。あれがあったからこそ、相手は警戒したと思う。ブロッキングも横着せず、肘をしっかりと上げて、パンチを受け止めていた。チャンピオンらしい安定感のあるボクシングを見せた。前回より進化を見せて良かったと思う」と、後輩のパフォーマンスを褒め称えた。

 宇津木は「京口さんがセコンドに就いてくれて、安心感があった。自分も京口さんのようになりたい」と感謝した。

次戦は仲里周磨(オキナワ)との一戦が濃厚

 今後について渡辺均会長は「海外での試合も視野に入れて、いろいろチャンスを探っていきたい」と話した。王座を返上しなければ、次戦はチャンピオンカーニバルで、日本同級1位の仲里周磨(26=オキナワ)を迎え撃つことになりそうだ。

 宇津木は「仲里選手は三代(三代大訓=ワタナベ)とも戦っているし、強い選手。しかし、負けるつもりはない」とライト級王者としてのプライドを示した。
「ボディ打ちが上手かった」
 一方、ジロリアンは「もっと自分のパンチを警戒して、様子を見てくると思ったが、予想以上に好戦的で、少し面食らった」。「パンチは当たることは当たったが、芯は外された。ブロックとボディ打ちが上手かった。ボディが効いてしまった。悔しいですね」と電話口で声を絞り出した。

 会場に詰め掛けた400人の応援団の声援を背に、最後まで諦めずパンチを振り続けた。「たくさんのお客さんが来て、入場した時点で感動した。期待に添えるような試合ができず申し訳ない」と語った。悔しい結果となったが、ジロリアンの雄姿にサポーターも心を打たれたに違いない。
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 この試合を観戦した仲里は、「予想通りの展開で、技術の差があった。自分と戦う時のヒントを得ることができた。自分と戦ったら噛み合うと思う。試合を見て燃えた」と電話口で感想を語った。