[ショートインタビュー]2022.7.19
大分の星! 小畑武尊を直撃!
小畑武尊(ダッシュ東保)
 日本ウェルター級暫定王者の小畑武尊(23=ダッシュ東保)は、6月13日(月)に後楽園ホールで行われた、前日本王者の永野祐樹(33=帝拳)との暫定王座決定戦を制した。

 元々は、サウスポーの激闘タイプだったが、ディフェンスに磨きをかけたテクニシャンに変貌を遂げると、昨年3月に日本ユース王座を獲得。その後も連戦連勝で、日本暫定王者まで上り詰めた。

 ジム創設20年目で、初の王者に輝き、地元大分県別府市は盛り上がりを見せているが、小畑はファイトスタイル同様に、努めて冷静だった。
日本ウェルター級暫定王座を獲得
 現在は、ボクサーのほかにウェブデザイナーとキックボクシングジムでのトレーナー業があり、忙しい毎日を送っていて、取材した時点(7月1日)では、まだジムワークは再開していなかった。「トレーニングの一環としてお金をもらいながら、トレーナーをさせてもらっているので、本当にありがたい」。

教えることで気づきがある

 自分が構築してきたスタイルを練習生に教えてることで、「完璧に自分と同じ動きができるわけではないが、自分と似た動きをしてもらうことで、(自分の)修正点も見えてくる。『ここは隙があるな』とか。『こういう穴があるのか』とか。自分と戦うことができないので、似た人を作ることで新たな発見がある」と1年前から思いついて、取り組んでいるという。
別府市長にタイトル獲得を報告
 小畑によると、ベルトを獲得してから、地元のテレビ局をはじめ、取材もさらに増えてきたという。先日は、別府市役所を訪れて 長野恭紘市長にベルト獲得を報告した。「置かれている環境が変わっているのを実感しているが、自分としてはそんなにすごいことをしたのかなと」と話したが、「地方ジムでも、関東の大きなジムに勝てたことは自信につながった」。

 ランカーはおろかプロボクサーも小畑ただ一人だけというダッシュ東保ジムが、大橋ジムや帝拳ジムといったスター選手が揃う大手ジムに番狂わせを起こした。
強打の永野祐樹を攻略
 永野戦では、初回から左ストレート、左ボディアッパーを軸に、的確に当て続けて完勝した。「相手のパンチに適切に対処して、自分のパンチを当てる単純作業をひたすら繰り返すのがテーマだった」。
次は小原佳太(三迫)との一戦が濃厚
 次戦は、正規王者の小原佳太(35=三迫)との王座統一戦が濃厚だ。「勝てば"暫定"が取れるので、もちろんそうなることを望んでいるが、それは結果の話。暫定を取って、真のチャンピオンになりたいからではなくて、目の前の試合に勝つことが第一。自分の上にこの人がいるからとか考えても、キリがないから興味がない」と冷静に語った。
アップセットに自信あり!
 それでも、「小原選手のことは、以前から意識をしていたこともあり、試合は見ている。ただ、決定戦とは同じ流れにならないと思うが、負けるつもりはない」。攻略の糸口は見つけているようだ。