[試合後会見]2021.6.10
肉弾戦に後楽園ホールが揺れた!
激しい打撃戦を制したのは?
 日本スーパーライト級タイトルマッチ、王者の永田大士(31=三迫)対同級5位の鈴木雅弘(25=角海老宝石)が10日、後楽園ホールで開催された「ダイヤモンドグローブ」のメインイベントで行われた。
 自分のボクシングを確立したと語った永田がベルトを守ったのか、それともタイトル初挑戦の鈴木が戴冠したのか――。試合は、初回から激しいパンチの交換を見せた。
鈴木雅弘(角海老宝石)が新王者!
 サウスポー永田が距離を詰めてくるのに対し、鈴木は左アッパー、左ボディで迎え撃つとワンツーを好打しペースを掌握。鈴木は的確なパンチでダメージを与えると、前半終了時の公開採点で49-46×1、50-45×2と大きくリードした。ポイントで優位に立った鈴木だが、打ち急がずにジャブから左ボディ、右ボディストレートと多彩な攻撃を披露。逆転を狙う永田は7回にボディを効かせたが、ここを踏ん張った鈴木は、その後も着実にポイントを重ねて最終10回にフィニッシュした。鈴木がデビューから6戦目で新王者に就いた。
「一番になれて嬉しい」
 タイトル初挑戦でベルトを巻いた鈴木は「昨日のリモート会見で永田さんは『前に出てくる』と言っていたので、距離を潰してくると思っていた。田部井さん(田部井要トレーナー)が立てた左ボディで迎え撃つ作戦がハマった」と試合を振り返ると、「小学校5年生からボクシングを始めたが、高校、大学と日本一になることができなかったので、やっと一番になることができた。ボクシングをやってきてよかった」と感無量の表情を浮かべた。
「作戦がハマった」
 続けて「ポイントでリードしていたが、永田さんは後半にペースを上げてくると思っていたので前半はフルマークで勝っていたが、イーブンの気持ちで戦った。7ラウンドにボディが効いて心が折れかけたが、インターバル中に田部井さんが声をかけてくれたおかげで立ち直ることができた」と、コンビを組む田部井トレーナーに感謝した。
スイーツ大好きチャンピオン!
 東京農業大学ボクシング部出身で、寮の同部屋だった桑原拓(大橋)は7月21日(水)に日本王座に挑戦する。鈴木は「(桑原に)良い形でつなげることができた」と笑顔を見せた。
 スイーツが大好物だという鈴木は、「体重に少し余裕があったので計量日の前の日にハーゲンダッツのアイスクリームを2個食べてしまいました」と、計量当日はパンツを脱いでリミットギリギリだったことを明かすと、「今はとにかくアイスが食べたい」と話し報道陣の笑いを誘った。
採点表