[試合後談話]2021.4.11
西日本新人王戦が開幕
左:鶴田貴大(フォーラムスポーツ)
右:清水新(仲里)
 西日本新人王トーナメント予選が11日、エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館・第2競技場)で開催され全9試合で熱戦が繰り広げられた。
 第9試合スーパーライト級4回戦では鶴田貴大(36=フォーラムスポーツ)と清水新(24=仲里)が拳を交えた。昨年10月に約15年ぶりに復帰した鶴田は、今年6月17日の誕生日でボクサー定年の37歳を迎える。現役を続行するためには勝ち続けることが条件だ。鶴田は4戦目で初勝利を挙げることができたのか――。
パンチが届かなかった
 鶴田は最後まで積極的な攻撃を仕掛けたが勝利に結びつけることはできなかった。サウスポー清水は距離を取りアウトボクシングでポイントを加点。鶴田は最後まで右を伸ばしたが決定打を打ち込むことができなかった。採点は割れたが清水に軍配が上がった。
「技術が足りなかった」
 勝利まであと一歩届かなかった鶴田は「パンチの当て方も詰め方も甘かった。ジムの皆にサウスポーになってもらい対策を立ててきたが、自分の技術が足りなかった」と苦笑いを浮かべた。
2人の子ども試合に駆けつけた
 しかし、昨年の10月にカムバックした鶴田はボクシングをやり切った表情を見せた。「このような状況の中、ボクシングをさせてもらい本当に幸せでした」としみじみと振り返った。
 前回の試合は運動会があったため、家族は鶴田の試合を見ることができなかったが、この日は愛媛から駆けつけてリング上で奮闘する父の姿を目に焼き付けた。9歳の長男と7歳の長女から「お父さん、格好良かったよ」と声をかけられた鶴田は「好きなことをさせてもらったので、これからは家族のためにより一生懸命に働きます」と語りボクシング人生に幕を下ろした。
左:小島一希(寝屋川石田)の左ストレートがヒット
 第5試合スーパーバンタム級4回戦では小島一希(25=寝屋川石田)と浦虎太郎(26=フュチュール)が激突した。サウスポー小島は、サイドに回り込んで左右のショートアッパー、左ストレートを決めてペースを握るが、浦も驚異的な粘りを見せた。しかし、小島は冷静さを保ちながら4回に上下のコンビネーションでレフェリーストップに持ち込んだ。
「今年こそは新人王になる」
 試合後に取材に応じた小島は「自分のパンチは効いていないのかなと心が折れかけたが、ストレートがよく当たったので最後まで自分のパンチを信じて振り抜いた」と笑顔を見せた。
 昨年は、準決勝で同じ大学のボクシング部出身の西村蓮(24=SUN-RISE)に敗れている。西村は、決勝戦で敗れたため今年も新人王戦にエントリーし小島の前の試合で初回TKO勝ちした。2人が勝ち進めば決勝戦で拳を交えることになる。「前回のリベンジを果たすためにもこれからも勝ち続ける」と拳を握りしめた。