[試合後会見]2021.3.28
神戸で熱戦! 久保隼vs佐伯瑠壱斗
左:佐伯瑠壱斗(岐阜ヨコゼキ)
右:久保隼(真正)
 元WBA(世界ボクシング協会)スーパーバンタム級王者で日本フェザー級3位の久保隼(30=真正)が28日、神戸市立中央体育館で開催された「REAL SPIRITS.71」のメインイベント58.5kg契約8回戦で2016年中日本スーパーバンタム級新人王の佐伯瑠壱斗(22=岐阜ヨコゼキ)と拳を交えた。
 世界戦からの再起2戦目に臨んだ久保が強さを示したのか?それとも岐阜から乗り込んできた佐伯が、ランキングを奪ったのか――。
久保隼(真正)がTKO勝ち
 久保の左ストレートが火を噴いた! 初回からサウスポー久保が左ストレートをボディと顔面に打ち分けペースを掌握。ランキング入りに闘志を燃やす佐伯は、2回に右アッパーを決めるが、久保はここでも引かずにパンチを返した。勝負が決まったのは3回。久保は左ストレートでダウンを奪うと、冷静に追い詰めて左ストレートでレフェリーストップに持ち込んだ。
「勝ててホッとしている」
 試合後に囲み取材に応じた久保は「相手は気持ちが強かったが、1ラウンドからボディが効いているのがわかった。会長と立てた作戦が上手くハマった。結果的に倒すことができたので今日は良かったと思う」と合格点を与えた。
 続けて「これまでは接近戦になるとパンチを出さず、ズルズルとなっていたが今回は気持ちを出せた。今までなかった部分を見せることができたと思う」と快勝に納得の表情を浮かべた。
「後輩に背中を見せていきたい」
 25日には後楽園ホールで川端遼太郎(30)が日本ランカーを撃破し、この日のセミファイナルでは日本バンタム級18位の与那覇勇気(30)が6回TKO勝ちした。同い年でともに汗を流してきた同門の活躍に「2人が勝って自分が負けたら意味がない」と試合前の心境を口にすると、「少しでも長く、3人でボクシングを続けていきたい」と思いを語った。
 さらに「長谷川さん(長谷川穂積氏=元世界3階級制覇王者)が竜也(山中竜也=元WBO世界ミニマム級王者)に背中で伝えたように、自分も後輩に練習や戦う姿勢を伝えていければと思う」と、名門真正ジムを引っ張っていくつもりだ。
山下正人会長
 会見に同席した山下正人会長は「ジャブとボディストレートを当てて、後半勝負だと思っていたが、しっかりと決めてくれた。作戦通りに試合を進めることができた。今日は非常に落ち着いていた」と久保の勝利に目を細めた。
 今後について「周りの動向を見ながらになるが」と前置きした上で、「フェザー級でタイトルマッチの話が来たら行かせたい」とGOサインを出した。
試合の解説を務めた<br>右:奥本貴之(グリーンツダ)
 横で聞いていた久保は「マッチメークはタイミングもあるので難しい面もあると思うので、一戦一戦悔いが残らない試合をしていきたい」と話すと、「アマチュア時代に清水先輩(清水聡=大橋)にボコボコにされたのを今でも覚えている。5月13日の森選手(森武蔵=薬師寺)との試合はどっちに勝ってほしいとかはないが、清水選手が最強でいてほしいという思いはある。できれば清水選手と戦いたい」とOPBF東洋太平洋フェザー級王者の清水聡(35)の名前を挙げた。