[試合後会見]2020.10.2
世界ランカー対決はダウン応酬の大激戦!
8ヶ月ぶりのダイナミックグローブ
 IBF(国際ボクシング連盟)スーパーフェザー級3位の尾川堅一(32=帝拳)が2日、後楽園ホールで開催された「ダイナミックグローブ」のメインイベント、スーパーフェザー級10回戦に出場。IBF世界同級7位の西谷和宏(33=VADY)と対戦した。
 尾川が豪快なKOで世界をアピールしたのか、それとも鳥取県出身のボクサーとして初の世界王者を目指す西谷が待ったをかけたのかーー。試合は3ラウンドに大きく動いた。
尾川堅一(帝拳)が勝ち残った
 尾川がスイッチ戦法で翻弄する西谷を振り切った。1~2回は様子見の展開だったが、3回に西谷がサウスポースタイルにチェンジすると左フックでダウンを奪った。立ち上がった尾川は効いていたがクリンチで窮地を脱した。4回、強気に打って出た尾川は右ストレートでダウンを奪い返す。その後はプレスをかける西谷に対し、尾川は距離を取りながら単発の右ストレートでポイントを加点。西谷も最後まで懸命にパンチを繰り出したが、尾川がスピードで上回った。
根性で勝った
 試合後にオンライン取材に応じた尾川は「相手の気迫と執念を感じたが、押し切れたと思う。成長した姿は見せることができなかったが、根性は見せることができた」と快勝に笑顔を見せた。
ダウンは効いた
 「耳の裏にもらったパンチで気がついたら手をついていた。初めて倒れたが焦らず冷静に立て直すことができた。セコンドからは『次のラウンドは捨ててもいい』と指示が出たが、『この野郎』と思いながら攻めたら倒すことができた」とダウン応酬の場面を振り返った。
世界に向けて待ったなし!
 サバイバルマッチに生き残った尾川だが「半歩進んだが、世界はアピールできなかった」と浮かない表情。しかし、「(世界戦が決まれば)相手が誰でもどこの国でも戦う」と臨戦態勢は整っている。