[試合後談話]2020.9.6
富岡浩介を止めるのは俺だ!
佐藤陽太(花形)がKO勝ち
 第77回東日本新人王予選が6日、後楽園ホールで開催され全9試合で熱戦が繰り広げられた。8名がエントリーしているスーパーフライ級は、デビューから注目の的の富岡浩介(18=REBOOT.IBA)が評判通りの強さを見せて8月31日に行われた予選を突破。新人離れしたスピードとテクニックを兼ね備えた富岡は、今年の新人王トーナメント戦で最も注目されている選手といえる。この優勝候補筆頭の勢いを止めるべく、3名の選手が勝ち上がった。
 第6試合では佐藤陽太(30=花形)と塩谷洋則(37=宮田)が対戦。右ストレートでキャンバスに沈めた佐藤が、富岡の次の対戦相手に決まった。
次戦は富岡(REBOOT.IBA)と対戦
 デビュー戦に続きKO勝利した佐藤は「左フックが入り相手のガードが下がったので右クロスを狙った。塩谷選手に気持ちの強さを感じた」と試合を振り返った。
 次戦で富岡と拳を交える佐藤は「テクニックでは向こうが上なので、気持ちで上回りたい。大会一番の注目株なのは知っているが、やるからには勝ちにいく」と拳を握りしめた。
 元WBC世界スーパーフライ級王者の佐藤洋太氏と1文字違いの佐藤陽太は「自分とは格が違いすぎて何も言える立場ではありませんが、名前は一緒なので意識はしている。佐藤洋太さんのことはすごく尊敬していてボクシングスタイルも大好きです」と語った。
阿部愛斗(石神井スポーツ)が17秒で倒した!
 第8試合では阿部愛斗(19=石神井スポーツ)が大森建太郎(35=イマオカ)に初回17秒でKO勝ちし会場に衝撃を与えた。
一戦一戦勝っていく
 右ストレート一発で試合を終わらせた阿部は「会長と練習していたパンチが自然と出た。こんなに早く終わるとは思っていなかった。倒したことよりとにかく勝てて良かった」と安堵の表情を浮かべた。
 小学4年から中学1年まで石神井スポーツジムでボクシングをしていた阿部だが、小学校から続けていた野球に専念するため一度、競技から離れた。しかし、高校を中退し「またボクシングをやりたいと思った」と再入門した。
 富岡の試合映像は見ているという阿部だが「次もしっかりと勝って決勝戦で当たれば勝ちたい。まずは目の前の試合を勝っていく」と謙虚だった。
久保春平(宮田)が5勝目
 第7試合は久保春平(23=宮田)と松井洋太(28=三迫)が激突。久保が冷静な試合運びから的確なパンチでダメージを与えたが、3回に松井の左フックを浴びてダウン。しかし、慌てる素振りを見せずに4回に右フックでキャンバスに沈めた。
決勝戦で富岡選手と戦いたい
 「(3回のダウンは)効いてはいないが、踏ん張りがきかなかった。ポイントは気にせずに戦った。今日は左がよく当たった」と納得の表情だった。
 鹿児島県にある人口7000人弱の喜界島から就職のため東京に出てきた久保は「会社の先輩に勧められて」と19歳でジムに入門した。喜界島は台風10号が直撃。両親のことが心配だったという久保だが「勝利報告の電話をして、無事を確認できて安心した」。
 久保は「目の前の試合を勝つことが第一だが、決勝戦では富岡選手と対戦して倒して勝ちたい。注目されている選手だがやりがいがある」と優勝宣言した。