[電話取材]2020.8.20
戸高達が試合後に語った
左:戸高達(レパード玉熊)に電話取材
 空位のWBOアジアパシフィック・フライ級王座を争った同級9位の戸高達(30=レパード玉熊)が、試合後に電話取材に応じた。19日に後楽園ホールで開催された「SLUGFEST.14」でWBA世界同級3位の山内涼太(25=角海老宝石)と対戦した戸高は、得意の打ち合いに持ち込み、勝利への執念を見せたが、3回に右アッパーを浴びてダウンを喫すると、右目に異常をきたしセコンドが棄権の意思表示を示した。
 眼窩底骨折の疑いがあったが、その後回復し「今は元通りに戻りました」と語り、午前中に病院で改めて診察を受けると話した。
皆の声援が財産
 「自分でも驚くくらい体が動いて、練習してきた右クロスも当たり理想的な展開だった」と振り返るように、序盤から積極的な攻撃で乱打戦に持ち込んだ。しかし、「相手のパンチは強かったが、化け物みたいなパンチ力を想像していたので耐えられるパンチだった。ただ、攻撃の引き出しが多かった」と見えない角度からの右アッパーを浴びてダウン。「少し休もうと思って片膝をついたが、再開後にもらった右アッパーで目がチカチカしてしまった。途中で勝負を諦めてしまったので負けるべくして負けた」としんみりと語った。

 この日、多くの応援団が駆けつけ、試合後にはリングを降りる戸高に拍手を送った。戸高は「ボクシングで培った体力や技術はいずれなくなるが、ボクシングを通じて知り合った仲間は僕にとって一生の宝です」と仲間に感謝の気持ちを伝えた。