[調印式・前日計量]2020.1.27
女子世界戦 デビュー12年にして初対決
08年のJBC公認時より牽引してきた拳女が激突
 WBO(世界ボクシング機構)女子ミニマム級王座決定戦の調印式と前日計量が27日、都内の日本ボクシングコミッション(JBC)本部事務局で行われ、元WBA・IBF・WBO女子世界ミニマム級王者の多田悦子(38=真正)と元WBA女子世界アトム級王者の宮尾綾香(36=ワタナベ)が会見で意気込みを語った。
 試合は明日28日に後楽園ホールで開催される「DANGAN233」のセミファイナルで行われる。
佐伯霞(真正)が返上したWBO王座
 調印式は滞りなく終わり、会見前に立会人のレオン・パノンシロ(米)が挨拶に立ち、「勝者は180日以内にWBOが指名する相手と指名試合が義務つけられる」と説明した。
試合が楽しみと西田マネージャーと多田
 かつてこのタイトルを保持していた多田は、かねてより戦ってみたい相手として名前を挙げていた宮尾に対し「スピードがあって出入りが上手い選手」と実力を評価。その上で「距離感重視で練習を積んできたので、1ラウンドに向き合ってどうするかを決めたい。まあ、宮尾選手がどうより敵は自分」と気を引き締めた。
 同席した西田祥士マネージャーは「経験を活かしてどう攻略するか、元世界王者同士のレベルの高い試合になる」と期待した。
自信を示した宮尾と渡辺会長
 一方、昨年9月のWBA女子世界アトム級王座統一戦で正規王者モンセラット・アラルコン(メキシコ)に僅差判定で敗れた宮尾は今回が再起戦。王座返り咲きと2階級制覇を狙う宮尾は「長身のサウスポー相手ですが対策は万全。上手さと強さで対抗したい」と自信を示し、「08年のデビューから12年、今年は節目の年と2020年と良い数字なので、飛躍できる一戦にしたい」と必勝を誓った。
 続いて渡辺均会長は「日本を代表する選手同士の一戦。当日の体調がカギになると思うが、宮尾は万全の体調を整えてきた。良い試合になる」と女子トップ同士の対決を楽しみにした。
互いにバッチリ仕上がった
 会見後の計量は、多田が100gアンダーの47.5kg、宮尾がリミットの47.6kgを300g下回る47.3kgでともに一発パス。改めてポーズを決め、明日の健闘を誓い合った。その後別室でルールミーティングが行われ、ともにウィニング製赤の8オンスグローブが使用されると伝えられた。
 5年前に一度だけスパーリングで手を合わせた多田と宮尾による2020年国内最初の世界戦。明日はトップ戦線を突っ走ってきた二人の意地がぶつかり合う。
空位の王座はどちらの手に
■オフィシャル
レフェリー:スラット・ソイカラチャン(タイ)
ジャッジ:エドワルド・リガス(比)、マルティノ・レドナ(米)、村瀬正一(日本)
立会人:レオン・パノンシロ(米)